午前中に茅ヶ崎で取引。競売にかかった不動産が売られる寸前に停止をとって、すったもんだしたあげくにようやく資金調達ができてぎりぎりのところで競売を回避した。なかなか資金が出来ずに、調停ではジジイの調停委員に毎回嫌みを言われ、依頼者の尻をたたけば逆ギレされるというどうしようもない事件であった。
幸いに整理回収機構の代理人弁護士が非常に柔軟な対応をしてくれたため、なんとか壊さずに解決までこぎ着けられたというのが正直なところ。恥ずかしい話だが、こっちで債務弁済協定の調停申し立てをしておきながら、返済のめどがたたず、不調もやむなしと腹をくくっていたのに、相手の代理人は、「もう一回待ってみましょう」と、ねばり強く接してくれた。整理回収機構の代理人も様々で、「中坊の威を借る狐」のような奴もいるから、今回は本当に相手方代理人に恵まれたという感じがする。もちろん、最終的には依頼者がよく頑張ってお金をつくったことが第一である。現場で若干の食い違いもあったが、大事にもならずとりあえず解決。ほっとして東京に戻る。
現場のドタバタというと、数年前に和歌山でやった事件を思い出す。これもうちの依頼者が船をカタにとられ、売られる寸前にスポンサーを見つけ、そのスポンサーとの公正証書の作成であったが、和歌山市にあるカミさんの実家で一泊して、翌日新宮まで行った。非常にいい天気(あのときも2月だった)で、新宮に行く特急からの眺めはすばらしかったが、果たして交渉がまとまるかで頭がいっぱいだった。数時間のやりとりを経てようやく午後5時過ぎに公正証書が出来て、預手を預かったときには、どっと疲れがでて頭が痛くなった。ほっとした依頼者夫婦と食事をして、オーシャンアローで新宮を出たのは午後6時。もう真っ暗になった窓の外をぼんやりと眺めていたのが、ついこの間のことのようだ。ちょうど新宮のお祭りの日だった。
東京に戻って食事をしてから、今度は郡山の裁判所へ。こっちはまだ始まったばかりの事件なので、何とも言えないが、郡山に降りたのは30年ぶりくらいだろう。母方の実家が白河なので、時折郡山まで足を伸ばしたことがあった。ただし、当時は茶色い客車だった。先日の雪がかなり残っていて寒かった。
依頼者が弁護士のところに来るのは、困りごと、悩み事を抱えているからである。そういった問題の発生原因は様々である。本人には何の問題もないこともあれば、はっきり言って本人に100%問題がある場合もある。いずれにせよ、起きてしまった問題を後悔しても何の解決にもならない。だから、自分は、「何でそんなことしたのよ〜。」ということは、少なくとも叱責モードでは一切言わないことにしている(今後の対処を考えるために、聴き取りが必要であれば、その理由を聞くこともあるけれど)。誤った選択、法的知識の欠如、そんなのは仕方のないこと。それを責めても何の役にも立たない...というか、そこを補うために我々がいるわけだから。
しかし、どんな弁護士でも出来ないことがある。それは、依頼者の良識を穴埋めすることである。良識と言っても、別に「聖人君子」ということではない。目の前にあるトラブルを、自分の問題として考えること、自分の考えていること(最初の段階は、それがどんなわがままなことでもいいのだ)をきちんと伝えること。弁護士としては、依頼者がそれさえ持っていてくれれば、多少仕事が難しくてもなんとかやれるものだ。
逆に言うと、こういう良識のない依頼者の事件は、どんなに金積まれてもやりたくない。といっても、自分の依頼者だったら縁切りできるけど、そうじゃないとね〜。その辺が勤務弁護士の限界なのかも知れない。痛み感じるのは相手方や裁判所の矢面に立つワタシだけで、あとの人たちは痛くも痒くもないからね。
なんでこんなことグチャグチャ書いてるかというと、約6年間の弁護士生活のなかで、一番むかつく依頼者にぶちあたったのだよ。まぁ、真正面から応対する気も失せたから、怒る気もなくなったけどね。頼むから、弁護士も人間だということを判って欲しい。
参った。最近もの忘れがひどくなったが、今日は大きなポカをやってしまった。朝から肩が重くて昼頃には頭が重くなった。そこで午後の会議の前に事務所の近くの指圧院に行き、治療を受けてから弁護士会に行くつもりであった。今日は二弁NEWSの編集会議。私は広報委員会の副委員長なので、編集責任者なのだ。
ヨロヨロと指圧院に行き、ベットにうつぶせになる。「カタイですねー」と言われて首・肩・背中をもみほぐして貰う。30分の指圧でかなり頭の重さや肩の張りが楽になった。
指圧院を出て、どういうわけか山野楽器に。18日なので「ぶらあぼ」を貰い、海外の演奏会情報を見る。4月分が掲載されている。よしよし。これはウィーンに持っていくのにちょうどよい。それから3階のCD売り場へ。ゆっくりとCDを眺めて気分転換。さーて、事務所に戻...あ(^_^;)(^_^;)。何か会議あったんだっけ。慌ててVISORを出してみる。
「3時 二弁ニュース編集会議」。
....。やってしまった。PHSの留守電を聴くと、事務所の秘書から「弁護士会からすぐ来るようにと電話がありました。」あああああっ。
すぐ弁護士会に電話をかけて、平謝り。それから会議に来てくれたメンバーにメールとファックスでお詫びを入れる。
しかし、惚けたのかなぁ。以前にも一回期日を忘れてた(手帳には書いてあった)ことがあって、慌てて飛んでいったこともあったけど。
でも今回はしんどい。広報委員会は、自分でも好きな委員会で力を入れているつもり。毎回の委員会も楽しいし、弁護士会内で出しているメールマガジンの編集も、結構面白い。それだけに、こういう単純ミスで会議をすっぽかしたというのは...。ほんと、落ち込んでます。
14日夜の芸術劇場は、インタビューがスクロヴァチェフスキ。そしてメインが昨年11月のヴァント/ハンブルク北ドイツ放送交響楽団の日本公演(14日)という超豪華版。早々に入浴を済ませ、9時過ぎにはテレビの前に。電話は呼び出し音を切ってしまう(笑)。
ミスターSが話す声は初めて聞いた。ブルックナーへの愛情溢れる話が実に良かった。この日のゲストは宇野功芳氏で、「ブルックナーつながり」という感じ。宇野氏は、昨年良かった演奏会にミスターS/読響のブル9をあげていた。あれは、サントリーでは3楽章の途中で崩壊しそうになったが、実に素朴で良い音楽だった。
そして、いよいよヴァント。あの至福の3日間がよみがえった。3日とも平土間席だったので、演奏中のヴァントの表情は見えなかった。それだけに、テレビで表情を見ると実にいろいろな思いが...。あのときは、あんなに優しい顔をしていたのか。あのときは実に厳しい表情だったとか。しかし印象は変わらない。なんと暖かな血の通った音楽なのだろうか。
印象的だったのは、ブル9の第3楽章で、弦のユニゾンの繰り返しになる前の、ゲネラル・パウゼのときのヴァントの表情。まるで骸のような表情!そして一転して命が吹き返してユニゾンに入っていく。ああ、自分は何というものを聴いてしまったのだろう。
また事務所で日付変更線を越えてしまった。元旦の誓いはどこにいってしまったのか。まあ、頭に引っ掛かっていた起案が終わったので、成果はあったが。この日記は電車の中で書いている。ふと、頭を上げると、スーツ姿の女性が、ラインマーカーを手に、なにやらノートのようなものを読んでいる。表紙を見ると、内田先生の民法4の講義案だった。
午前中は打ち合わせ。午後は広報委員会に出て、一旦事務所へ。不誠実の極みのような依頼者との電話で著しく気分を害してから、五月会の新年会へ。1時間半ほど雑談をしてから、銀座の某事務所でうち合わせ。再び事務所に戻って、顧問先の契約書のチェック。あいまに「月刊司法改革」の最新号を読んだら、どこかの予備校が自民党の議員にロースクールを潰すよう陳情をかけたとか。いまだにこういう思考方法しかないのかねぇ。
予備校も堂々とロースクールに参入すればいいのだ。大学の「教授」(教え、授けると書いてある)とは名ばかりの研究ヲタよりも、伝授能力自体は優れているのだから。だいたい、なんで法曹養成をア・プリオリに大学にゆだねるのだ?現行の司法試験云々は別としても、今のような中途半端な講義しかやっていない大学の授業が、実務家養成に全く役立っていないのは自明の理。そのあたりを大学のアホどもにクギさしておかないと。まるで自分たちが教えていることに法曹資格要件をあわせれば、いい法律家がうまれると思ってるみたいだからな(笑)。学者連中は。
今日が事務所の仕事始めであった。いつもの年より休みが長かったせいか、なかなか仕事にのってこない。書かなければならない書面はあるのだが、机廻りの整理とか、VISORの環境設定とかに目が奪われてしまう。4月から行う中大の司法演習(民法)の実施要項を書く。こんなものはそう手こずらないと思ったが、受講者が必ずしも司法試験の受験指導校に通ってくるようなモチベーションを持っているとは限らないことを思うと、つい表現が慎重になってしまう。結局、甘やかさず(他の講師の先生は、やたらと「楽しく学ぶ」ということを連発していたが、そう簡単にいかないはずである。)、脅しすぎずという感じで文章をまとめるのに四苦八苦。さらに、演習の時間帯をどうするかで更に悩んだ。なんせ多摩動である。事務所と簡単に行き来できる距離ではない。かといって、土曜日に入れるのは願い下げ(合唱の練習や都響クラブの会合にパッティングするから)。さりとて毎週特定の曜日をまるまる不在というのは、裁判の日程を入れるときにも困ってしまう。しかし、1限(9時20分〜)は遠いからつらいし、夕方にすると演奏会とバッティングしてしまう。1日2コマの隔週となると、一回のゼミが3時間となり、受ける方の集中力がキツイかも知れない...。そんな堂々巡りをしてほぼ半日が経過し(^_^;)、結局金曜の午後の4限(3時〜4時30分)を選択した。これならば、必要があれば午前中は事務所や裁判所に出られる。また、時刻表ソフトで検索してみたら、午後6時には溜池山王に到着できるので、演奏会にも支障はなさそうだ(笑)。
今日がコンサート始め。午後2時からウィーン・リングアンサンブルを王子ホールで聴き、午後6時からウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団をオペラシティで聴いた。一日中ウィンナ・ワルツとオペレッタ漬けになって、脳味噌がとろけそうである(笑)。一日2回、「ラデツキー」の手拍子をやったのは始めて。
オペラシティの地下で食事をした後、2階の紀伊国屋書店に行ったら、なんと!新国立劇場の「トロヴァトーレ」のために来日している指揮者のダニエル・オーレン氏と遭遇。プロレスラーなみに大きい。おそるおそる話しかけてみた。「サントリーのホールオペラに毎年いきます」「あなたの音楽はハートを掴む」と言ったら、凄く喜んでくれた。ブルソンのファンで去年の4月にウィーンまで追っかけていってオテロを見たと言ったら、たまげてた(笑)。握手して貰った。すごく暖かくて大きな手だった。
身の回りがモバイルだらけになったので、とりあえず、モバイルギア2をソフマップで下取りしてもらった。結構なポイントになった。しかし、まだ家には小物類が沢山ある。とくに、シンクパッド220とNECのHANDY98をどうするか考えなければならない。
昼は事務所で年賀状の整理。夕方、帰宅途中に家の近くの神社によって、後厄の厄払い。こういうのは、地元の神社にお願いするのが一番。
VISORはますます好調である。JORNADAとVISORの両方のマシンを、自宅と事務所のデスクトップと同期させるというのは、ちとややこしすぎたようだ。なにをどうやっても、住所録データがダブってしまう。基本はJORNADAにして、VISORは自宅のマシンだけで同期をとることにした。
VISORプラチナ(白黒モデル)を少しずつ使い始めたが、実に面白い。ともかく動作が軽いのがなんとも快適である。入力方式の(グラフィティ)というのは思いの外簡単である。大量に入力するには向かないかも知れないが、「あんな一筆書き覚えられるのか」という傍目より、体験してみると判る。それに、PalmOS用のatokや、日本語を認識してくれるソフトなどを併用すると、日本語入力はそう大変ではない。あと、キーボードタイプのマシンは、どうしても両手がでキーを打つので、マシンを据え置く場所がないと辛い。しかしパームだと、本体を左手で持って、右手で入力というのが出来る。これはいい。電車の中で立ったままでもテキストを読んだり書いたりできる。
復路は残念ながら伸びずに3位だった。毎年思うことだけど、3位を維持するってのは凄いことだと思う。駅伝って、一人がコケたら、それでタスキが切れてしまうし。うまく目がそろって優勝できればそれに越したことはないけど。ある年優勝したけど、その翌年はシード落ちというのではどうしようもない。
こんなことをやっているうちに、今年も三が日が終わった。大晦日の夜は「二十世紀の名演奏」「ベルリン・フィルのジルベスターの最初(笑)」を見て床につき、1日はウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを見て床につき、2日と3日は駅伝というのが最近のパターンである。これだと金がかからなくていいわ(笑)。
祝!箱根駅伝往路優勝\(^_^)/。今年も3位キープかなと思ってたら、往路の最終区で、大逆転。予想していなかっただけにうれしかった。
年末にVisorの白黒モデル(プラチナ)を買った。これで遊んでます。Jornadaももちろん使い続けるけれど、なかなか手帳代わりというところまではいかない。それと、キーボードタイプのマシンというのは、据え置いて文章を入力するのには最適なのだけど、どうしても構えてしまう。パームだとペンタッチ方式で、立ったままでもちょこちょこ入力できそうだし、とりあえず試してみようと思った次第。カラーモデル(プリズム)とだいぶ迷ったけど、あくまで手帳代わりとして割り切って使うということで、白黒モデルを選択した。
21世紀になった。小学校の頃、「2001年」といえば、映画「2001年宇宙の旅」のように、宇宙に自由に行けるようになると言われていた。あと「エアーカー」ね。車輪がなくて空気で走る車。でも、実際にはそんなのまだ出来てない。宇宙はまだ実験段階だし...。車は相変わらず排気ガスをまき散らして走っているし...。
今年の抱負...。特にありません(笑)。年賀状にも書いたけど、「21世紀にふさわしいリーガルサービス」だとか「司法改革がどうしたこうした」というのが、弁護士の「判で押したような年賀状の文面」なんだよね〜。こんなこと年賀状に印刷している奴に限って、「最近の司法試験受験生は予備校で与えられた論証を暗記して判で押したような答案ばかり書いてくる」とか言ってるんだわさ。
まあ、あえて言えば、仕事にかける物理的な時間をもっと減らすということですかね。自分でやっていて、まだ無駄が多いと感じることがある。そうすれば、毎日深夜まで事務所にへばりついて、挙げ句の果てに難聴になるようなこともなくて済むだろし、ここのメンテももっと頻繁にできるだろうから。
あと、中央大学法学部で「司法演習」という、1、2年生対象のゼミのようなものを受け持つこととなった。科目は民法。司法試験受験を希望する者だけが対象ではないだけに、かえってどういうやり方をすればいいか難しいけど、「法律文の読み書き・対話」を教えられればいいと思っている。