2000年3月の日記


2000/03/07

 今年に入って、演奏会レポートが掲載されていないという問い合わせをいただくことがあるが、もちろん演奏会から足を洗ったなんてことでは、決してない。つい、忙しさにかまけてということであるが、裏を返せば、琴線に触れるようなというか、忙しさを吹っ飛ばしてレポートを書きたくなるようなコンサートが少ないということである。もちろん、レポートを書き始めた頃より、忙しさの度合いは増しているのが一番の理由であるから演奏会の質が落ちたのではなく、もっぱら書き手側の事情である。
 しかし、そんななか、久々に「凄い」というコンサートがあった。2月の新星日本交響楽団の演奏会と、2月末〜3月頭の読売日本交響楽団の演奏会である。前者はオトマール・マーガの指揮でブルックナーの交響曲第8番をメインとするプログラム。後者は、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキの指揮で、一つは「新世界」をメインとするプログラム、ブルックナーの交響曲第9番をメインとするプログラムだった。詳しくは演奏会レポート00(近日公開)に譲るが、一言で言えば、マーガからはオーケストラにゆったりと呼吸させる妙技を、スクロヴァチェフスキからは、音楽を徹底的に分析して組み上げる醍醐味を堪能させてもらった。
 二人とも、決して派手に名前が売れている指揮者ではない(スクロヴァチェフスキは、最近こそアルテ・ノヴァのブルックナーチクルスで売れ出しているが、年齢を考えると、晩年ブレイク型であろう)。しかし、両マエストロとも、まさに職人芸の極のような、すばらしいコンサートを聴かせてくれた。こういう「目の覚めるようなコンサート」に出会うと、ちょっと途切れていたレポートを復活させたくなるのだ。


日記の部屋に戻る