ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団


日時:平成11年11月18日(木)午後7時〜
場所:紀尾井ホール
出演:ライナー・キュッヒル(第1ヴァイオリン)/エクハルト・ザイフェルト(第2ヴァイオリン)
    ハインツ・コル(ヴィオラ)/ゲアハルト・イーベラー(チェロ)
曲目:ハイドン/弦楽四重奏曲第60番イ長調作品55−1
    ヤナーチェク/弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
    ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130(大フーガ作品133つき)
  (アンコール)
   ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第13番のフィナーレ
   J・シュトラウス2世/ワルツ「皇帝円舞曲」
      同      /ポルカ「ハンガリー万歳」

 四谷駅近くで食事をとるときは、だいたい「スクワール麹町」のレストラン。ここは、準公共の複合施設なので、安いわりにまぁまぁの水準である。紀尾井ホールへは、四谷駅から上智大学の横を抜けてホテル・ニューオータニに向かう道を通っていく。弁慶橋側からブルガリの前を曲がって坂をあがっていくというルートもあるが、坂がきついので一度でやめてしまった(笑)。

 もう4年くらい前になるのか、アミューたちかわでのこの弦楽四重奏団のコンサートの後、懇親会があった。そのときにいた聴衆が、必ず数名は見かけられる。

 配布されたプログラム(1枚の紙を3つに折り込んだものだった)には、楽友教会ブラームスザールでの、この弦楽四重奏団の日程が掲載されている。だいたい月末に演奏会が組まれているが、2000年の3月は23日と24日。 さすがにこれはちょっと...。

 この日のプログラムは、ハイドン−ヤナーチェク−ベートーヴェンという、ウィーンでの12月、2月のプログラムを組み合わせたもの。最初のハイドンは、ちょっと拡散したような印象であったが、それでも、 「ああ。この音色。」と安心させてくれるような響き。やはり、同じオケのメンバーで、かつ弦楽四重奏団を継続的に構成しているメンバーの演奏だけのこ とはある。二曲目のヤナーチェクは、初めて聴く曲であったが、現代曲というほどではないものの、結構面白い奏法があったりして興味深かった。そして、メインのベートーヴェン。もう実に堂々とした演奏。弦の音色が溶 け合って、オルガンのような響きをホールいっぱいに広げたかと思うと、パッと四方に散って自己主張をぶつけ合う...。最後の大フーガは、1月にミスターSの指揮でワインガルトナー編曲の弦楽合奏版を聴いたが、ただでさえ大きな曲を弦楽合奏版にすると、ボリュームが ありすぎるような感じ。

 アンコールには、最後に演奏されたベートーヴェンの弦楽四重奏曲のフィナーレ(大フーガじゃないほう)がまず演奏された。そして、じつにうれしいおまけが二曲。弦楽四重奏版の「皇帝円舞曲」と「ハンガリー万歳」。ウィーン・リング・アンサンブルの数人のアンサンブルで もあれだけの音色を紡ぎ出すには大変なはずなのに、なんと弦4本だけで、あの香りを堪能させてくれるとは...。もう、恐れ入るばかりであった。

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