東京交響楽団第464回定期演奏会「ウィーン楽派への継承」


日時:1999年11月6日(土)午後6時〜
場所:サントリーホール
出演:田部京子(ピアノ)
   東京交響楽団(管弦楽)
   マルティン・ジークハルト(指揮)
曲目:バッハ/管弦楽組曲第3番より「アリア」
   モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番ハ短調
   ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」

 ジークハルトは、数年前に、リンツ・ブルックナー管弦楽団を率いて来日したことがありました。
 開演のベルがなり、オケの団員が出てくる。チューニングが終わった。あれ。弦セクションしかいない。はて。モーツァルトのピアノ協奏曲第24番というのは、オケは弦だけ(?_?) 。ほどなくアナウンスが入り、プログラムに入る前に、佐治会長を悼んで、バッハの「アリア」を演奏するとのこと。非常に厳粛な雰囲気でコンサートが始まりました。
 この日はP席のセンター付近で聴いていたので、ジークハルトの指揮がよく見えました。モーツァルトのピアノ協奏曲の24番というのは初めて聴く曲でしたが、とくに強い印象はありませんでした。
 なんといっても、ブルックナー。「ロマンティック」という曲は、油断すると茫漠とした演奏になりがちですが、ジークハルトは、オケをグイッと引き締め、実に美しい響きを引き出していました。とくに第一楽章の冒頭の霧のような序奏の美しさ。ヴァント/ベルリン・フィルの演奏もよかったですが、この日の東響も柔らかなビロードのような音楽を醸し出していました。そして第二楽章の憂いをたたえたような音楽、第四楽章の夕暮れを連想させるような響き。実に結構でありました。

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