新国立劇場「仮面舞踏会」


日時:平成11年9月26日(日)午後3時〜
場所:新国立劇場
演目:ヴェルディ/仮面舞踏会(ボストン版)
配役:マリア・グレギーナ(アメーリア)
   アルベルト・クピード(リッカルド)
   堀内康雄(レナート)
   岩森美里(ウルリカ)
   山崎美奈・タスカ(オスカル)/矢田部一弘(シルヴァーノ)/田島達也(サムエル)/長谷川顕(トム)/石川誠二(判事)
   於保郁夫(召使い)/大澤建・多田康芳・柿沼伸美・鹿野由之(暗殺団)
   新国立劇場合唱団/藤原歌劇団合唱部
   東京シティ・バレエ団
   アルベルト・ファッシーニ(演出)
   東京フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽)
   パオロ・オルミ(指揮)

 公演日によってキャストにばらつきがあるため、かなり激しいチケット争奪戦が繰り広げられました。幸い、グレギーナ、クピードは確保できました。また、争奪戦は激烈だったのですが、座席は1階のど真ん中という実においしい席がとれました。  いわゆるボストン版での上演で、第1幕のところで総督邸の窓越しに帆船が進んでいくなど、結構丁寧な舞台づくりであると感じました。第2幕の絞首台の場面も、いかにも荒れ地という感じが良く出ていました。
 グレギーナは4月の来日時と同じで、中音域から高音のやや低いところまでは、実にパワフルで良い声を聴かせてくれますが、最高音になると急に声が細く、ややかすれ気味になるのが、非常に気になります。彼女の十八番ということで、実に堂に入った演技、歌唱ではありましたが、生き急がないでほしいです。来年のスカラの来日公演にも入っているし...。
 クピードは、声の質、声量とも良いと思いました。あとは、ちょっと一本調子に感じられたので、表現力がつくともっとカリスマ性が出てくるでしょう。レナート役の堀内康雄は、グレギーナ、クピードとわたりあうとなると、ちょっとパワー不足で、それを補おうとして力が入ってしまっているという感じが少しありました。
 全体的に、バランスのとれた出来で、なかなか楽しめました。
======================= 1999-10-03 (Sun)10:55:57 ====================

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