ベルンハルト・ハース オルガンリサイタル


日時:1999年7月24日(土)午後7時〜
場所:東京オペラシティコンサートホール
出演:ベルンハルト・ハース(オルガン)
曲目:バッハ/前奏曲とフーガ イ短調BWV543
   ブルックナー/交響曲第6番イ長調(ベルンハルト・ハース編曲)

 オペラシティコンサートホールのオルガンを聴くのは、今回が初めてです。
 オルガン版のブルックナーの交響曲は、97年に、トーマス・シュメークナーという人が、府中の森で4番(ロマンティック)を弾いたのを聴きました(これはCDも出ています)。あと、リオネル・ロッグが8番を弾いたCDも出ています(99年にはリサイタルもあるのですが、残念ながら他の演奏会とバッティングしていて、行くことができません)。
 6番というのは、交響曲自体あまり演奏されないのですが、5番や8番のようなのぼりつめる快感とはまたちょっと違った、内面的な心地よさのある曲で、大好きです。ウィーンに初めて行ったときに最初にムジークフェラインで聴いた演奏会のメインプログラムもこの曲でした。
 最初のバッハは、小手調べといったところ。オペラシティコンサートホールは天井が高いので、オルガンの響きもなかなか良いものがあります。最初にもってくるのなら、ブルックナーの小品というのもよかったのでは。
 さて、メインのブルックナーの6番。最初の、弦で刻むところは、ちょっともたつく感じが。そして一気にトゥッティで爆発するところも、いかに巨大な楽器とはいえオルガン1台(とそれを操作する人間一人)では、あの爆発のカタルシスを味わわせてくれるまではいきませんでした。
 しかし、第1楽章最後のうねるような金管の掛け合いや、第2楽章のいつ果てるともなく続く美しい絡み合いなどは、じーんとくるものを感じさせてくれました。
 この日の解説リーフレットは土田英三郎さんが書かれていました(新潮文庫から、この人が書かれている「ブルックナー」というのが出ているはずなのですが、どこに行っても入手できない...)。土田さん曰く、あくまでも原曲の素材による全く別の試みとして聴いた方がいいだろうということですが、たしかにそうなのでしょう。ブルックナーというと「オルガン的な響き」ということが条件反射的に言われますが、だからといって、オルガンで演奏することで、フル・オーケストラの与えてくれるカタルシスを得るのは無い物ねだりということでしょうから。
 しかし、たとえば、一台のオルガンを二人で演奏するような編曲でやったらどうでしょうか。手足が絡まりそうですが(^_^;)。

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