東京交響楽団 東京芸術劇場シリーズ第45回


日時:平成11年7月10日(土)午後6時〜
場所:東京芸術劇場大ホール
出演:クリスチャン・ラルデ(フルート)/マリー=クレール・ジャメ(ハープ)
   東京交響楽団(管弦楽)
   ユーベル・スダーン(指揮)
曲目:モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299
   (アンコール)
   グルック/精霊の踊り(フルート・ハープ)
   ブルックナー/交響曲第7番ホ長調(ノーヴァク版)

 スダーンは、モーツァルテウム管弦楽団を率いて来日しており、モーツァルトの演奏には定評があるようですが、伝え聞いたところによると、チェリビダ ッケの薫陶を受けたこともあるとか。そうであるならば、ブルックナーも期待できると思い、チケットを買いました。
 最初のモーツァルトは、なじみ深い曲で、ベルリン・フィルの来日公演の際にも、ブルックナーの5番のプロの前半に採り上げられました。この日は、ラルデ&ジャメというベテランの味わい深いソロはもちろんです が、それを支えるオーケストラの音が、実によく練れていてよかった。このあたりが、スダーンの技なのではないかと感じました。視覚的にも、弦セクショ ンのボウイングがものすごく整っているという印象をうけました。アンコールも、二人の年輪をさりげなく披露してくれるような、しみじみと した演奏でした。
 後半のブルックナーは、チェリのような遅いテンポではありませんが、最初の弦のトレモロのところなど、いったいどこから聞こえてくるのかわからない くらい、本当に聞こえるか聞こえないかくらいのところから始まりました。
 スダーンの指揮は、かなり大きな動きでオーケストラを引っ張っていくという感じですが、音楽そのものは虚飾もなく、非常にオーソドックスなものでし た。10月1日付けで主席客演指揮者に就任するとのことですから、今後もお得意のモーツァルトとブルックナーで楽しませてくれればと思っています。
======================= 1999-08-29 (Sun)20:49:04 ====================

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