日時:平成11年7月6日(火)午後7時〜
場所:東京オペラシティコンサートホール
出演:ダニエル・ゲーデ(Vn)/エックハルト・ザイフェルト(Vn)
ハインツ・コル(Vla) /ゲアハルト・イーベラー(Cello)/ヘルベルト・マイヤー(Contrabass)
ウォルフガング・シュルツ(Fl)/マルティン・ガブリエル(Ob)
ペーター・シュミードル(Cla) /ハラルト・ミューラー(Fagot)/ギュンター・ヘーグナー(Hrn)
曲目(出演):ベートーヴェン/セレナード ニ長調 作品25
ザイフェルト・コル・シュルツ
ライヒャ/クラリネット五重奏曲 変ロ長調 作品89
ゲーデ・ザイフェルト・コル・イーベラー・シュミードル
ロッシーニ/夜、祈り、そして狩り(日本初演)
ゲーデ・ザイフェルト・コル・イーベラー・シュルツ・ガブリエル
ラインベルガー/九重奏曲 変ホ長調 作品139
ザイフェルトを除く全員
J・シュトラウス/「ジプシー男爵」序曲
全員
(アンコール)
「ジプシー男爵」序曲の後半部分
PMF自体は札幌で行われますが、毎年一回は、この室内楽を東京で楽しめます。今年は例年になく大所帯のアンサンブルを楽しむことが出来ました。
最初のベートーヴェンのセレナードは実に可愛らしく親しみやすい曲です。ベートーヴェンがこんな曲を書いていたのか...という感じでした。弦の二人は、ウィーン・リング・アンサンブルでは、ワルツの2拍子目と3拍子目を刻むところばかり聴いているので(^_^;)、今回のアンサンブルでは旋律を楽しむことができました。
ライヒャのクラリネット五重奏曲では、ゲーデのヴァイオリンの音色に感心しました。このユニット、よく見ると、弦楽四重奏の部分はキュッヒルカルテットからキュッヒルをはずしてゲーデを入れた形なのですが、これはこれで、けっこうまとまりはありました。ゲーデは、経歴を見ると、ウィーンでは学んでいないようで、彼をコンサートマスターに迎えたのは、新しい血を入れようということなのでしょうか...。キュッヒルさんに比べると、ずいぶん控えめな音色でしたが。
後半のロッシーニは、最近楽譜が発見された曲とか。このあたりからは、アンサンブルの人数も増え、しかもこの曲では弦を左右に分け、真ん中に木管が入るというオーケストラのような配置をとったので、ミニ・ウィーン・フィルの様相を呈してきます。目を閉じて聴いていると、ムーティーが指揮をしているような...。
ラインベルガーの九重奏曲では、管が全員入り、軽快さと旋律の美しさを楽しませてくれました。
そして最後はお楽しみのヨハン・シュトラウス。正月のウィーン・リング・アンサンブルでも何度も取り上げられる曲ですが、オーボエとファゴットが入ると、彩りが鮮やかになって良いですね。特にオーボエは他の楽器では代替できない音色ですし。
しかも、メンバーの多くがリング・アンサンブルとダブっているため、音色は遜色なし。お笑い系こそありませんでしたが、シュルツさんは例のごとく、吹いていないときは左右ににらみを利かせていました(笑)。
アンコールは、同じジプシー男爵序曲の最後の部分。まぁPMFの講師で来日しているので、アンコール曲を別に用意する暇はなかったのでしょう。内心は「青きドナウ」とか「こうもり」とか「ラデツキー」とかを期待していなかったといったら嘘になりますが、そんなわがままがとおったら、バチがあたるでしょう(笑)。
夏の夕べのすばらしい贈り物でした。
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