ブランディス弦楽四重奏団と3人のソリストたち


日時:平成11年5月21日(金)午後7時〜
場所:オペラシティコンサートホール
出演:トーマス・ブランディス(Vn)
   ライナー・メーネ(Vn)
   ヴィルフリート・シュトレーレ(Vla)
   ヴォルフガング・ベットヒャー(Vc)
   アンドレアス・ヴィットマン(Ob)
   ゲルト・ザイフェルト(Hrn)
   カール・ライスター(Cla)
曲目:モーツァルト/弦楽四重奏曲第8番へ長調  K.168
           /オーボエ四重奏曲へ長調   K.370
           /ホルン五重奏曲変ホ長調   K.407
           /クラリネット五重奏曲イ長調 K.581
   (アンコール)
           /クラリネット五重奏曲イ長調より第二楽章


 本来であれば、オーボエはローター・コッホが来日するはずだったのですが、体調不良とか。カラヤン時代の名手3人を聴けるところだったのですが、2人になりました。

 弦楽四重奏のトーマス・ブランディスという人は、ベルリン・フィルのコンサートマスターだったそうです。BPOのコンサート・マスターというと、シュヴァルベと安永さんしか思い浮かばないのですが(情けない)。チェロのベトヒャーさんは、ああ、そういえば...という感じでした。今回はメンバーに入っていませんが、フルートのツェラーとかは覚えていたのですが...。

 予定では、各ソリストが入った3曲だけだったのですが、演奏者の要望ということで、最初にモーツァルトの弦楽四重奏曲が追加されました。管楽器とのアンサンブルを楽しむ前に、プレーンな弦楽四重奏曲も聴いてほしいという自信の現われでしょう。ウィーンのキュッヒル・カルテットとはまた違った響きを楽しむことができました。

 オーボエ四重奏曲は、実に軽やかなオーボエの響きを楽しむことができました。ホルン五重奏曲は、音色はよいのですが、ちょっと重いかなという感じ。これはヘーグナーさんのウィーナーホルンのほうが良いです。

 で、最後のクラリネット五重奏曲。これが一番良かった。バルコニー席だったのですがステージのほうを見ないで、ホールの天井を眺めて聴いていました。こんなに美しい旋律が次々と紡ぎだされてくるなんて、モーツァルトはやはり天才だったのでしょうね...。カール・ライスターのクラリネットは、今までアンサンブル・ウィーン=ベルリンで楽しんできましたが、メンバーから抜けた後も、まだまだ聴きつづけたいです。第2楽章は、以前「グリーン・カード」という映画の一シーンに使われていたのですが、そこで出てきた美しい木々を思い出しました。

 アンコールは、クラリネット五重奏曲の第2楽章。シーンと静まり返ったホールに、ライスターの柔らかいクラリネットの音色、そしてこれを支える静かな弦楽アンサンブルが漂い、静かに消えていきました。
======================= 1999-05-22 (Sat) 23:31:26 ====================


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