日 時:平成11年1月27日(水)・28日(木)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:ベラ・ダヴィドヴィチ(ピアノ)
NHK交響楽団(管弦楽)
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
曲 目:ベートーヴェン/大フーガ 変ロ長調 作品133
ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
ルトスワフスキ/管弦楽のための協奏曲
定期をサントリーで聴くのは初めてです。Bがサントリーに移った当初は、定期会員以外の残券の前売り発売はなく、全部当日発売だったため、チケット入手に危機感を抱いていたのですが、昨年の11月の売りだしから一回券の前売りもされるようになったため、無事入手することができました。
しかし、始まってみると結構空席があったりして、実に勿体無いなあという感じがしました。自分はゆとりを持って入手できて、かつ、当日は満員になればいいというのは、実にむしの良い話ですが(笑)。初日は2階センターの前から8列目くらい。2日目はP席最前列の真中付近で聴きました。
最初のベートーヴェンの大フーガは、もともと弦楽四重奏曲第13番の終楽章としてかかれたもので、その後独立した曲となり、ワインガルトナーが弦楽合奏版に編曲したものだそうです。
プログラムには16分と書かれていましたが、実際には20分以上かかり、しかも決して小品ではなく、実に重厚な作品でした。おそらく、スクロヴァチェフスキは、ボウイングとかをきっちりと指定して準備したのでしょう。非常にがっちりとした演奏になっていました。
二日目はP席で、ミスターSの指揮をじっくりと観察したのですが、わかりやすい系統の棒では決してありません。しかし、おそらく練習できっちりとくみ上げてきているのでしょう。
そのあとのショパンの1番。これがまた凄かった。前回来日した際も、同じ曲が演奏されていて、このときは、オラシオ・グティエレスというピアニストが弾いたのですが、そのときよりも、もう一回りゆったりとしたテンポでした。ベラ・ダヴィドヴィチというピアニストについては全く知らなかったのですが、第二次大戦後最初のショパン・コンクールで優勝した人だそうで...。見た目は、実に地味なご婦人なのですが、演奏は、実にゆったりとした堂々たる見事なものでした。N響定期の週の週末に王子ホールでリサイタルがあったのですが、ちょうど風邪気味だったので行けず、非常に残念でした。
ここで休憩に入ったのですが、この時点で午後8時30分。結構これで満腹になってしまったという感じもありました。最初の大フーガが結構ボリュームがあり、そのあとのショパンがまたこってりとしていたからです。しかし、最後のルストワフスキは、実に面白かった。初日はちょっと散漫な印象を受けましたが、二日目のほうがぐっと引き締まっていて、曲の面白さを堪能することができました。
ミスターSは、Bプロはルトスワフスキだけを暗譜で振りました。この人は譜面を見ながら振るときと暗譜で振るときとで、振り方がかなり違うような気がします。譜面を見ながら振るときは、すごく譜面に意識を割いていて、棒が単純になるような感じがします。もちろん、棒が派手なほうがいいというわけでもないのでしょうが...。それはそれとして、ルトスワフスキを振ったときのミスターSの棒は、融通無碍で、実によくオーケストラにメッセージを送っているように感じました。
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