浜松アルス・アンティカ 待降節コンサート


日 時:平成10年12月13日(日)午後2時30分〜
場 所:カトリック下井草教会
出 演:ガエターノ・コンプリ(解説)
    浜松アルス・アンティカ(合唱)
    菅野浩和(監修・客演指揮)
曲 目:バード/4声のミサ曲より「キリエ/サンクトゥス/アニュス・デイ」
    グレゴリオ聖歌/「天の女王」「ようこそ女王、あわれみの御母」(男声)
    ラッスス/バビロン川のほとりにて
    フォリアーノ/主を畏れるものは幸い
    ヴィクトリア/4声のレクイエムより「入祭唱/キリエ/昇階唱/サンクトゥス−ベネディクトゥス/アニュス・デイ」
    ロボ/悲しみの調べに転じ
    グレゴリオ聖歌/「アヴェ・マリア」「やさしき救い主の御母」(女声)
    デ・オスティア/天よりの処女
    ジョスカン・デ・プレ/アヴェ・マリア
    パタヴス/「今日キリスト生まれぬ」「賢者たちは星を見て」


 待降節コンサートという名称ですが、それにこだわらず、古い宗教曲の名曲を集めたコンサートでした。たまたま、会場となったカトリック下井草教会が50周年を迎えた記念ということもあるようです。

 浜松アルス・アンティカという合唱団は初めて聴きましたが、菅野先生とは7年近くつながりがあるということもあって、この手の曲を歌うツボを心得ていますし、声も男声・女声とも真っ直ぐで、非常に透明感のあるハーモニーを作っていました。ベースがもう少し厚くなると、タリス・スコラーズのようなオルガントーンの響きを出せるところですが...。

 グレゴリオ聖歌は、男声・女声とも、すごく透明な声をもった先唱者がいて、非常に気持ちよかったです。多声の曲では、やはりヴィクトリアの深遠なる響き、そして、ジョスカンのアヴェ・マリアの煌くような美しさにひかれました。

 それだけに、曲間の解説等は要らないと思うのですが...。解説(というか、お話)は、教会の神父さんがされていて、結構面白いものではあるのです。でも、充実した音楽、そして(前にも書いたことがありますが)、東京とは思えないほどの閑静なロケーションの中に立つヨーロッパの教会のような建物。そして昼下がりにコンサートが始まる頃は、暖かい日差しにキラキラと輝くステンドグラスが、終演の頃には闇の中に浮かび、表に出ると、前庭に植えられた月桂樹に飾られているイルミネーションが輝いている...。こんな風景があれば、100万の言葉よりも雄弁であると思えてなりません。

 ま、12月13日。1日早い見事な浜松からの「討ち入り」だったと思いました。
======================= 1998-12-27 (Sun) 23:13:31 ====================


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