日 時:平成10年11月12日(木)午後7時15分〜
場 所:すみだトリフォニーホール
出 演:ジョルジ・パウク(Vn)
新日本フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
井上道義(指揮)
曲 目:シェーンベルク/5つの管弦楽曲 作品16
ベルク/ヴァイオリン協奏曲
(ソロ・アンコール)
バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番から
「サラバンド」
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
シェーンベルクの作品は、12音技法に移行した初期の作品ということらしく、音はいかにも「無調だぞ!」ということをアピールするような音楽。しかし、井上氏の指揮や、オケの演奏をじーっと見ていると、ムーヴメント自体は、調性のある音楽のそれと、そう変わりないように見える。朗々と歌うような場面もあり、ただ「調性のある和音」がならないというだけ。
ベルクのヴァイオリン協奏曲は、同じく無調の曲ではあるが、何となく洒落たというか粋な節回しを持っている曲。ヴァイオリンのジョルジ・パウクは、ハンガリー出身のヴァイオリニストで、かなりのベテラン。コダーイにも師事していたことがあるそうな。
後半のベートーヴェンは、疾風怒濤のような演奏。朝比奈先生とのベートーヴェンチクルスでは、かなり遅いテンポで、細かな刻みをきっちりと弾いていた(弾かされていた?)が、今回は、奔流のような演奏だった。特に第1楽章。繰り返しは、あまりせず、かかれている繰り返しはすべてする演奏に最近親しんでいたせいか、ちょっと物足りなさも感じたが...。
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