NHK交響楽団第1364回定期演奏会(11月Aプロ2日目)


日 時:平成10年11月6日(金)午後7時〜
場 所:NHKホール
出 演:NHK交響楽団(管弦楽)
    ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
曲 目:シューマン/マンフレッド序曲
      同  /交響曲第4番(第1稿)
      同  /交響曲第2番


 今月は、サヴァリッシュによる「オール・シューマン・プロ」という、実に面白い月です。しかも、交響曲第4番の第1稿と第2稿を聴ける(第2稿は、オーチャード定期)という千載一遇のチャンス。

 NHKホールに着くと、ウィーン帰りの知人に遭遇。たっぷりとエネルギーを注入されてきたようでした。

 さて、演奏。マンフレッド序曲は、実に歯切れよく、まさに「オール・シューマン・プロの前菜」として非常に良い演奏でした。

 次が、私にとっての、本日の目玉。シューマンの4番。シューマンの4番といえば、スクロヴァチェフスキが極めて印象的な演奏を聴かせてくれましたから、それとの比較が楽しみ。そして、初稿というのが、通常聴く4番とどう違うのかも楽しみでした。

 ひとことで言えば、やはり初稿は、かなり荒削りです。第一楽章の頭などはまるでベト7のような短い打撃音。そのあとも、かなり音が薄い部分が多く、第2稿の方が聴き応えがあると感じました。第二・第三楽章は第2稿とはあまり違いませんでしたが、面白かったのは、第三楽章から第四楽章へのつながりの部分。ここは初稿のほうが面白いと思いました。

 後半は、交響曲第2番。シューマンは、4番は好んで聴くものの、他の曲はあまり積極的に聴かないので、ほとんど初めて聴くのと同じ。第二楽章を聴いて、ああ、バーンスタインがPMFで取り上げた曲だったな、と気がつきました。
 終始、実に朗々とした演奏で、最後の音が消えたときには、盛んに「ブラーヴォ」の声が飛んでいました。
======================= with mobile gear(MC-MK12) ====================


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