都響9月定期A


東京都交響楽団第475回定期演奏会(9月A)
日 時:平成10年9月28日(月)午後7時〜
場 所:東京芸術劇場
出 演:東京都交響楽団(管弦楽)
    朝比奈隆(指揮)
曲 目:ブルックナー/交響曲第8番ハ短調(ハース版)


 Aシリーズは、前回が6月頭でしたから、約4ヶ月近く間があいたことになります。例のごとくチケットは売り切れで、「チケット買います」の人たちが沢山いました。

 演奏ですが、全体的にN響のときよりもやや速いテンポに感じられました。

 特に、第3楽章のアダージョ。いつもだと、どこから始まっていつ終わるか判らないような連綿とした音の流れが続いていき、冒頭のチェロの部分などは全く拍を感じさせないのですが、今回はかなり意識してしっかりと振っていましたし、オケのほうも拍節のしっかりした演奏をしていました。

 途中の部分も、今までゆーったりと流れていた部分を、「え?え?」と戸惑いを感じるほど、凄く煽って演奏させていたり。第3楽章の魂の浄化のような音楽によりどころを求めている人には、若干の物足りなさを感じたかもしれません。でも、チェロの6連符に入る前のところで、チェロとヴィオラ(だったかな)が細ーい音でささやきあうところなんかは、凄くきれいでしたし、小さい音がとても大切にされていて、慈しむような音楽作りでした。

 管のセクションが最後のほうは若干疲れてきたというきらいはありましたが、大きな疵もなく、昨年の異音事件のようなこともなく、満足のいく演奏会ではありました。

 しかし、N響のときに感じた「これだ!」と叫びたくなるような血のたぎり、そして今年の大フィル東京公演(このときは5番)で味わったコテコテの満腹感はなく、ちょうど、6月のベートーヴェン・チクルスの「第9」のときのような、ややあっさりとした聴き応えでした。

 終演後は、一般参賀もありましたが、心なしか、こちらもややあっさりとしていたような...。  もう一回、10月1日にありますが、はたしてこのときはどうなるか。

======================= 1998-09-28 (Mon) 22:58:12 ====================


コンサートレポート98目次に戻る