新日本フィルハーモニー交響楽団トリフォニーA定期(9月)


日 時:平成10年9月9日(水)午後7時15分〜
場 所:すみだトリフォニーホール
出 演:独唱
     ファウスト、マリアをあがめる博士/エクベルト・ユンクハンス
     グレートヒェン、懺悔する女の一人、辛苦/レベッカ・エヴァンス
     メフィストフェレス、苛責の霊、瞑想する教父/ケネス・コックス
     アーリエル、法悦の教父/クリスティアン・エルスナー
     憂い、天使、罪ふかい女/安陪恵美子
     輝く聖母、負い目、エジプトのマリア/田村由貴絵
     マルテ、フソク、サマリアの女/加賀ひとみ
     贖罪の女の一人/志鎌聡子
     テノールII/鈴木准
     天使に似かよう教父/小野和彦
    合唱
     晋友会合唱団(合唱指揮:関屋晋)
     TOKYO FM少年合唱団(合唱指導:太刀川悦代、米屋恵子)
    管弦楽
     新日本フィルハーモニー交響楽団
    指揮
     ジョン・ネルソン



 「ファウスト」を素材にした曲というと、マーラーの8番の第二部を思い出しますが、この「ファウストからの情景」もなかなかすばらしい曲でした。はじめて聴いた曲(後にアバド/ベルリン・フィルのCDが出ているのを知った)でしたが、管弦楽の部分は、いかにもシューマンらしいオーケストレーション(ティンパニーが多用され、口の悪い人は「ズンドコ節」などという(^_^;))でした。

 独唱陣も健闘していましたが、やはりファウスト役を歌ったエクベルト・ユンクハンスが印象に残りました。

 それと、この曲は合唱がかなり大きな役割をしめますが、晋友会は最後までエネルギーが全く切れずにこの大曲を演奏し尽くしました。

 こういった「歌」を存分に引っ張り出したのは、ネルソンの指揮にあったと思います。指揮者の中には、合唱を楽器の一つと考えて振ってるとしか思えないような人もいて、ああいう指揮では歌い辛いだろうな〜と感じることもありますが、ネルソンの指揮はその正反対。歌の呼吸を踏まえてのもので、非常にわかり易かったし、歌いやすいだろうなと感じました。

======================= 1998-10-24 (Sat) 14:04:06 ====================


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