スカラ・フィルハーモニー管弦楽団



日 時:平成10年9月2日(水) 午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:スカラ・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽)
    リッカルド・ムーティ(指揮)
曲 目:シューマン/交響曲第4番ニ短調 作品120
    チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」作品74
    (アンコール)
    ヴェルディ/歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲



 秋のコンサート初めがスカラ・フィルでした。

 前回は、オペラの序曲・間奏曲と展覧会の絵というプログラムだったので、今回は交響曲2曲のプログラムを選択しました。

 コンサートによって、客層が微妙に違うのは、ロビーとかで見ていてなかなか面白いのですが、今回はともかく女性が多い。それも皆イタリア系のファッションに身を包んでいる(^_^;)。グッチが協賛していて、その筋からチケットが出たとか、いろいろあるのでしょうが...。

 シューマンの4番といえば、スクロヴァチェフスキがN響で聴かせた超名演が、私のスタンダードになっていて、なかなかこれを凌駕するものが出てこないのですが、今回も結論は変わりませんでした。

 しかし、これは凡演であるという意味ではありません。ムーティのことですから、もの凄い疾風怒涛のようなシューマンを響かせるのかと思ったら、それとは正反対の、実にしなやかな演奏。スカラ・フィルの「歌う弦セクション」を思う存分ドライブした曲作り。テンポも昔のムーティとは違って、やや抑え気味でした。

 後半の悲愴は、実にエネルギッシュ。ロシアの重厚な雰囲気とはちょっと違うものの、第3楽章のフルパワー、第4楽章のむせび泣くような弦のうねり、たっぷりと堪能させてくれました。途中でチェロの若手奏者の弦が切れてしまったのですが、弦を交換に行くタイミングを失い、悲愴の後半はほとんど演奏できなかったようで、非常に気の毒でした(すごく悔しそうな顔をしており、周囲のメンバーが慰めていたのが印象的でした。)。

 アンコールは、お得意のヴェルディ。奏者が一気にリラックスして、まるで表情が違うのが可笑しいくらいでした。

======================= 1998-10-24 (Sat) 14:58:06 ====================


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