読売日本交響楽団 第363回定期演奏会


日 時:平成10年7月8日(水)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:読売日本交響楽団(管弦楽)
    エリアフ・インバル(指揮)
曲 目:ブルックナー/交響曲第8番 ハ短調(ノヴァーク版第1稿)


 インバルはすでに初稿を積極的に用いた全集の録音を済ませています。今回はそれを生で聴けるという、「珍しさ」が目当てだったのですが、演奏は、珍しさとかを度外視しても、実にすばらしいものでした。

 第1稿は概して飾り気がなく、またエキセントリックともいえるような技法(たとえば、第3楽章のシンバルは3連打される(^_^;))が用いられていて、聴きやすさという点ではハースでもノヴァークでも第2稿の方が勝ってはいるようにおもえます。しかし、所々、こんなにおいしい部分があったのか、と思わせるような部分もありました。とくに第3楽章で、ワーグナーチューバが、弦楽合奏を繰り返すところがあって、あれは良かった。

 第4楽章は、えらく速いスピードで演奏されましたが、あれは楽譜の指定なのか、インバルの解釈なのか。個人的にはもっとたっぷりと聴かせてほしかったのですが。

 最後はユニゾンのミ・レ・ドではなく、ワーッと鳴ってる中でミレドが聞こえてバサッと終わる感じ。

 全体を通して、管はよくがんばっていました。
 インバルがすごくテンポを煽るので、途中で崩壊しそうになったところもありましたが...。
======================= 1998-07-12 (Sun) 23:05:30 ====================


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