ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団


日 時:平成10年6月24日(水)午後7時〜
場 所:東京芸術劇場
出 演:ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団(管弦楽)
    ファビオ・ルイジ(指揮)
曲 目:シューベルト/交響曲第7番 ロ短調 「未完成」
    ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調
    (アンコール)
    ヨハン・シュトラウス/天体の音楽


 4月にウィーンで聴いたのと同じメンバーで、曲目もほぼ同じ。ということで、あのときに少しでも近い状態で聴こうと思い、右側のバルコニー席を取りました。

 それにしても、入りが悪い。3階なんかガラガラです。ウィーン・フィルと比べてはいけないのでしょうが、ムジークフェラインではどのコンサートもほぼ満席だったのに...。

 開演前にCDを販売しているのを見たら、ブルックナーの7番がある。へーと思って手にとって見たら、なんと!私がウィーンで聴いたときのチクルスのうちの1つが収録されたものだった。当然買い求めた。

 最初の未完成は、まぁ、こんなものかなという程度。あまり印象に残らなかった。考えてみれば、未完成を生で聴いたのは、23年前のベーム/ウィーン・フィル以来。あまり積極的に聴こうということはなかった。

 後半のブルックナーに期待をかける。

 原始雲の中から、低弦の奏でる旋律。徐々に金管が絡み合い、神々しい夜明けのような輝きが広がっていく。目を閉じると、楽友協会大ホールに座っている自分が見えてくる。天井に描かれた美しい画、まばゆく輝くシャンデリア。

 ルイジの指揮は、一目でオペラ畑の人のそれとわかるものであった。ともかく歌わせることがうまい。ブルックナーだと7番、4番あたりだろうか。5番や8番あたりだと、果たしてどうだろうか。

 第2楽章のワーグナーチューバも、ちょっと危ういかと思うところはあったものの、たっぷりと聴かせてくれた。棒が降りた後、しばしの沈黙。そのまま鐘が鳴り出したら...と思うような。

 第3楽章は、一転して生き生きとした音楽作り。そして第4楽章。やや速めのテンポで前へ前へと進んでいく。最後は柔らかな和音がホールいっぱいに広がって余韻をたっぷりと楽しませてくれた。

 派手なブラーボの嵐はなかったが、熱く続く拍手に応えたアンコールは、ウィンナ・ワルツ。ここ2年ほど、ウィーン・フィルは聴いていたが、アンコールのないプログラム(ブル8、マラ9)だったので、フル・オーケストラでのウィンナ・ワルツを聴くのは、77年のベーム/ウィーン・フィルを聴いたとき以来(このときはアンコールで「青きドナウ」をやった。)。  ウィーンの空気をたっぷりと楽しんで帰途についた。
======================= 1998-07-12 (Sun) 20:16:07 ====================


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