日 時:平成10年6月5日(金)午後7時〜
場 所:東京芸術劇場
出 演:佐藤しのぶ(ソプラノ) 寺谷千枝子(アルト)
晋友会合唱団(合唱)
東京都交響楽団(管弦楽)
ガリー・ベルティーニ(指揮)
曲 目:マーラー/交響曲第2番「復活」
5月のA定期から二週間で6月のA定期。あっという間でした。 ベルティーニの指揮に接するのは初めてでしたが、物凄いエネルギッシュな指揮でした。都響から目一杯の力を引き出そうとせんばかりの棒で、都響も、よく応えていたと思いました。ダイナミックレンジが、かなり広かった。
去年のB定期でインバルが10番を振ったときも良かったですが、まぁ、都響は若杉、インバルとマーラーをよくやってますから、手慣れているのかもしれませんね。
原光での寺谷さんの「O Rochen roth!」の美しかったこと。それまでの、ときにはけたたましい器楽の響きとは一転して、安らかな、聖歌のような音楽でした。
そしてフィナーレ。一体、どこから聞こえて来るのか判らないくらいの響きで、「甦る。そう。甦るだろう。」という合唱がジワーッとやってきました。アカペラでピアニッシモという、実に辛い箇所ですが、見事に歌い上げていました。佐藤しのぶさんの凛とした姿が眩いばかり。
後半は、それまで座ったまま、まるで肉体はそこになく、魂だけがあるかのごとく歌っていた合唱が、立ち上がり、高らかに復活の讃歌を歌い上げていきます。
前日に聴いた栗友会が、端麗なる白ワインとすれば、この日の晋友会は、コクのある赤ワインといったところ。マーラーのボリュームのある音楽に負けないだけの、かなり強いものでした。
途中で、袖で吹いていた別働隊が少しずつステージに入ってくるのは、なんか変な感じもしましたが、最後は吹きまくりでにぎやかに終わりました。
就任披露演奏会がこれだけ素晴らしいと、この先が楽しみです。
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