朝比奈隆&新日本フィル ベートーヴェン・チクルス 4


日 時:平成10年3月16日(月)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:新日本フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
    朝比奈隆(指揮)
曲 目:ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調 作品60
       〃   /交響曲第7番 イ長調  作品92


 4番・7番という組み合わせでは、朝比奈先生の指揮では、3年ほど前の12月のN響定期でも聴いていますし、ベーム/VPOやクライバー/バイエルン州立歌劇場管弦楽団の来日公演もこのプログラムがありました。

 4番は、序奏の第一ヴァイオリンの8分音符を、きっちりとビブラートをかけて弾いていたので、つい、ニヤリとしてしまいました。3楽章・4楽章のテンポは、思いのほか速めで、特に第4楽章は、N響のときと比べて、かなり速く感じました。でも「速すぎず」という指示はきっちりと守っていました。後ろのほうに出てくるファゴットのソロの部分も、ダブル・タンギングでなくても吹ける速度と感じました。

 休憩後の7番。もう、これは「うわ〜やられた〜」って感じです(^^)。 N響のときも、金管をかなり思いっきり吹かせていたのですが、このときはかなり音が濁って聞こえました。今回はそういう事もなく、それでいて「お〜ここまでやるか」ってなかんじでした。聴きなれた弦の旋律が、「パーッ!」っていう金管にかき消されることがたびたび。

 第2楽章は、英雄のそれとは別の雰囲気をもった「葬送行進曲」という感じで、冒頭のヴィオラの奏でる旋律の美しかったこと。

 第3楽章のトリオの部分のトゥッティのあたりは、実に堂々とした演奏で、マエストーソと言いたくなるくらい。

 第4楽章は、思った以上に速いテンポで、一気に最後まで駆け抜けるという演奏で、もちろん金管も遠慮なくグイグイ吹かせていました(指揮しながら、また煽るんだ。朝比奈先生が(笑)。もっと出せ出せって言わんばかりに。)。

 つ〜ことで、今までのチクルスの中でも最高の盛り上がりを見せたという印象でした。聴いていても、前回の8番とかも、もちろん良かったですが、7番みたいに賑やかな曲を、あれだけ鳴らしてくれると、やっぱり爽快感があります。

 いよいよ。チクルスもあと1回。6月の「第9」を残すだけとなりました。演奏するほうもそうでしょうが、聴く方も、ベートーヴェンの交響曲全曲を聴くというのは、リスナー人生におけるマイルストーンになるような気がします。締めくくりの第5回。栗友会が、きっと「史上最高の第9」を聴かせてくれることでしょう(^^)。 いや〜今日は、とりわけ気持ちよく帰宅して、缶ビールとチーズで祝杯をあげています。

======================= 1998-03-17 (Tue) 00:05:14 ====================


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