日 時:平成10年2月26日(木)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:新日本フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
朝比奈隆(指揮)
曲 目:ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
〃 /交響曲第8番 へ長調 作品93
チクルスの中でも比較的地味なプログラムで、しかも6番を前半に、8番を後半に据えるということで、どんなもんかな〜と思っていたのですが、その思いは単なる「偏見」に過ぎなかったことを思い知らされました。
前半の「田園」は、第一楽章の最初のテーマの部分のフェルマータをどうするかが一つの興味でしたが、変に長くせず、それでいてわざとらしく短くもせずという感じでした。例のごとく、刻みの部分は丁寧に弾かせるという音楽作りでありました。
第二楽章は、今回聴くまで気がつかなかったのですが、冒頭のところ、チェロのトップ2人がソロを弾いているのですね(他はピチカート)。最後の木管の掛け合いもよかった。
第三楽章から第五楽章までは、息もつかせぬという感じ。第四・第五楽章とかは、管を目一杯吹かせるので、他の演奏とはずいぶん感じが違って聞こえるところもありましたが、実に爽快でありました。
後半の第八番。これまた見事でした。なりは小さくても決して劣るものではないということですね。第一楽章の最初、この曲は序奏なしにいきなりテーマが出てくるのですが、演奏も、最初から切り込むという感じで、実にはつらつとしていました。
第四楽章は、かなり遅いテンポで堂々とした演奏。ここまでやってくれればノー文句です。8番をトリ(と言ってもこの日のプログラムは2曲だけですが)にした意味が判りました。
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