合唱団OMP第15回定期演奏会


日 時:平成9年11月7日(金) 午後7時〜
場 所:東京文化会館大ホール
出 演:合唱団OMP
    橋爪恵一 (cl)    後藤龍伸 (vn)    佐藤芳明 (acc)    吉村安見子(pf)
    栗山文昭 (指揮)
    加藤 直 (演出)
曲 目:林光/合唱劇「戒厳令」 アジアン・コミックス(委嘱初演)


 去年は、一般のコンサート形式をベースに、「宇宙について」で客席におりるシアター・ピース方式の構成でしたが、今年はコンサートというより、「楽劇」(合唱劇となっているけど、「楽劇」のほうがいいと思う)というべきものでした。 チケット負担のある団員の方には申し訳なかったですが、舞台を観やすいポイントを選びたかったことなどから、チケットは通常のコンサートと同様のルートで購入しました。

 伴奏はオケピットを開けて、そこに配置。舞台はひな壇を組んで、後方はスクリーン。そこにいろいろなスライド(ブタの頭が映ったときがあった)を映したり、各章ごとのテーマをうつしたり。

 曲は、全体が14のパートに分かれていて、台詞ありユニゾンの部分あり、きれいなハーモニーの部分ありと、実にバラエティーに富んでいて、退屈しませんでした。この手のプログラムは、ときどき、聴衆を置いてけぼりにしてしまうことがあるのですが、そういうことはありませんでした。

 とちゅう、どの曲だったか、完全にタンゴの曲があり、楽器が楽器ですから(アコーディオン、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット)、「お〜ピアソラしてるぜ」と思ったり、そうかと思うと、シャンソンのような曲調がでてきたり...。 合唱の部分では、カラッと鋭く、バランスのよい「OMPサウンド」(私が勝手に言ってるだけです(笑))を十分堪能する事ができました。しかし、演劇の要素もたっぷりで、そっち方面の面白さもありました。終演後のホール内の空気も「曲が終わった」というより「芝居がはねた」という感じでした。

 しかし、あれだけ動きや演劇的要素をこなして、それで合唱もピッとハマッてしまうんですから、やはりただ者じゃないですわ。

 そうそう。演出とか舞台装置とかも、変にマニアックじゃなくて、わかりやすくてよかったです。初台で無駄金使い倒してる連中はOMPに学ぶべきです。

 次聴くのは「栗友会」(6月の第9)になりますが、朝比奈先生の棒で、どんな第9を聴かせてくれるか、楽しみでなりません。
 あと、来年の定期はトリフォニーで11月15日となってますが、こんどはどんな系統のものをやるのか、これも楽しみです。
======================= 1997-11-07 (Fri) 23:24:20 ====================


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