都響 97年度・前期定演Bシリーズ(457回)


日 時:平成9年10月24日(金)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:管弦楽:東京都交響楽団
     指 揮:朝比奈隆
曲 目:ブルックナー/交響曲第7番 ホ長調(ハース版)


 演奏中、終始、後方(と思われる)から、キーンという金属音が響いていた。最初、耳鳴りかと思ったが、違ったようだった。
 第1楽章が終わったところで、腹に据え兼ねたであろう聴衆の一人(私の3列ほど前だった)が、「アラーム止めろ! うるせえぞ!」と叫んだ。

 事務所を出てくる前から、聴き手として盛り上げてきた気持ちが、切れかかってしまった。

 第2楽章の途中から、音が一時止まった。自分で自分に言い聞かせた。「途中で変になったからって、投げちゃだめだ。仕事でもよくあることじゃん。演奏するほうだって頑張ってるんだから、聴くほうも頑張ろうよ。」 なんとか気持ちを繋ぎ止めた。

 第3楽章の間はよかった。

 第4楽章で、またあの音が。これに抗う強さは、私にはなかった。

 ブルックナー休止でキーンという音が鳴り続けるなんて、堪えられないよ!!1月からずっと楽しみにしてたのに。下関への大名旅行を辞退してそなえたのに。夕飯も少なくして、ドリンク剤飲んでそなえたのに。

 聖フローリアンの鐘は、天国の奇跡をもたらしたハプニングだったけど、今日のは地獄のハプニング。自分をどう慰めて良いかわからないよ。もう何にもしたくない。

 というわけで、とても演奏の感想を書く気には(少なくとも今は)なれません。ごめんなさい。
======================= 1997-10-24 (Fri) 22:29:33 ====================


 都響から説明の書簡がきました。「補聴器がハウリングを起こした可能性が高い。」とのこと。

 実は、演奏会の翌日、都響とサントリーホールに書簡を送ったところ、先週両者からお返事を頂いておりまして、それとほぼ同趣旨でした。

 む...。聴衆側が原因ではないと思っていたのでしたが、そうではなかったんですね。
 しかし...無神経な一人(または数人)の人間で、2000人の気持ちを傷つけられるんですから、人間の力ってのは偉大ですな(ためいき)。


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