VPOウィーク・イン・ジャパン1997


日 時:平成9年10月15日(水)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽)
    ベルナルト・ハイティンク(指揮)曲 目:マーラー/交響曲第9番ニ長調


 今日は、日弁連の臨時総会と、私の所属している二弁の派閥(五月会)の若手勉強会(私はいちおう会計をやっている)があったのですが、ウィーン・フィルに勝る価値をもつわけはないので、当然のことながらシカトしました。日弁連の臨時総会は、委任状を出そうと思っていたのですが、あまりにしつこく出せ出せと言われるので、そんなにいうなら出すのやめようということにしました。

 地下鉄の溜池山王駅が出来てはじめてサントリーホールに行きました。

 「駅から歩いて3分(5分?)になった」とか宣伝してますが、やや誇大広告。地下鉄の改札はおそらく溜池の交差点の下あたりで、そこから延々と地下道を歩きます。出口は、全日空ホテルから溜池の交差点よりにあるビル(一階が日本旅行。ローソンのすぐちかく)の前に出来ましたが。ですから、午後6時50分に溜池山王駅に電車が着いても、6時55分にサントリーホールに到着できるわけではありませんから、ご注意を。

 まぁ、雨の日にサントリーホールから地下鉄で帰るのはずいぶん楽になりました。国会議事堂前駅・溜池山王駅は地下通路でつながっているので、千代田線・南北線・銀座線・丸の内線に乗車可能。ただし千代田線はかなり遠いし、丸の内線は、国会議事堂前駅まで歩くより、溜池山王駅から銀座線に乗り、赤坂見附駅で乗り換えたほうが、遥かに近いです。

 去年に続いて、今年も東京公演の初日を聴きました。

 去年はブルックナーの8番。今年も7番のプログラムがありましたが、マーラーの9番を選びました。去年聴いたブルックナー、なんとなく自分の好きなブルックナーとは違うという印象を受けたので...。マーラーのほうが相性がいいような気がしまして。

 結果は大正解。頭をぶん殴られるような感動というのとは違いましたが、ともかくウィーン・フィルの底力を感じました。ともかく弦が厚くて美しい。第一楽章のつややかな響き。そして第四楽章の冒頭の慟哭のような音楽。あ〜。これなんだ。このくらいほとばしるような音が出てくるんだよな〜と感じました。言っちゃぁ悪いけど、ケント・ナガノ/ハレ管弦楽団のときは、指揮はこういう音を引き出そうとしていたけれど、オケがついてきてなかった。

 あと、第3楽章の嵐のような部分、ものすごくオケが鳴っていて、しかも音があれだけ美しいというのは驚きです。管と弦のバランスがすごくいい。時速200キロくらいで走っていて、さらにアクセルを踏み込んでも、らくらくと加速していくというか...。オケのポテンシャルの凄さを感じました。

 ハイティンクの指揮は初めてでしたが、奇をてらわず、それでいて凄くエネルギッシュで、オケをぐいぐいドライブしていて、とてもよかったです。第3楽章の最後なんか、飛んでましたし。

 それと、この曲はヴァイオリン・ヴィオラをはじめとして、長いソロが結構多いのですが、キュッヒル(ヴァイオリン)、コル(ヴィオラ)、シュルツ(フルート)といった、私たちのお気に入りのメンバーが素晴らしいソロを聴かせてくれました。

 第4楽章の最後は、音がホールの中に少しずつ消えていって、無音になりました。ハイティンクは、フライング拍手防止のためか(笑)、音が消えてもしばらくの間、左手をあげたままにしていました。その甲斐あって、ホール内に完全なる静寂が訪れました(楽譜みたことないんですが、最後は休符でフェルマータかなにかになっているのかな)。

 終演後は激しいブラボーこそありませんでしたが熱い拍手が絶えることなく鳴り響きました。オケのメンバーがひきあげてからも、聴衆は立ち上がって拍手を続け、それにこたえてハイティンクが2回、参賀にお出ましになられました。

 というわけで、実に素晴らしい演奏会でした。巷では、ウィーン・フィルは個性がなくなったとか、いろいろ言われています。私も、75年、77年のベームとの来日のときのような熱病状態(^_^;)になりませんでした。しかし、今回のような演奏を聴かせていただけるなら、私としては十分満足です。来年は来日予定がなく、再来年にスケジュールが入っているとのことですが、誰が振るのか、今から楽しみです。もちろんその前に「チケット確保」という高いハードルが待っているのは憂鬱ではありますが(笑)。
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(番外編)
 終演後、外に出たら、ホール前の広場の、テレビ朝日前で、なんと屋外リサイタルをやっていました。きちんと舞台を組み、字幕装置まで備え付けて。 ちょうど、「トスカ」からの名場面をやっていて、出てきたら「歌に生き、恋に生き」を歌っていました。伴奏はピアノ連弾(多分)で、指揮者までついていました(笑)。
 その後、「星は光りぬ」から第3幕の終りまでやったので、全部聴いてしまいました(^_^;)。
======================= 1997-10-15 (Wed) 23:41:34 ====================


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