PMFオーケストラ東京公演


日 時:平成9年7月29日(火)午後7時〜
場 所:オーチャード・ホール
出 演:PMFオーケストラ(管弦楽)
     佐渡裕(指揮)
曲 目:高橋悠治/楽器を持った人びとのための「キタラ・カグラ」
     バーンスタイン/開幕の祈り
     シューベルト /交響曲第5番 変ロ長調
     チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調


 久々に佐渡さんの豪快な指揮が観たくて行った演奏会でした。

 最初の「キタラ・カグラ」はPMF1997のための委嘱作品とのこと。客席の後ろから、楽器を持ったメンバーが客席に入って来て散らばり、いろんな音を立て、ステージではシンバルを持った佐渡さんが踊り、時折トランペットがソデから入って来て音を撒き散らして去っていく...ほとんどシアターピースの世界。

 曲の善し悪しはともかく、この曲を演奏するために、舞台はカラッポにしておかねばならず、この曲が終わってから椅子やら譜面台やらをセッティングする。聴いているほうは、休憩でもなし、ただぼーっと待つしかなく、うとうととして過ごし、その間延びすることこの上ない。聴く側にこれだけダレた時間を味わわせてまで演奏する曲だろうか。

 バーンスタインの開幕の祈りも、今一つパッとしなかった。もう過去に何度も演奏はしているのかもしれないが、「キャンディード」の序曲あたりを聞かせてほしかった。

 シューベルトの5番は、小編成で、指揮台も取り払っていた。佐渡さんは相変わらず派手な指揮である。シューベルトの5番でこんなに振っていたら、チャイコのときはどうなってしまうんだろうという感じ。

 で、お目当てのチャイコは、ともかくよく鳴っていた。さすがにプロのオケに比べれば、正直に言って音は粗い。聴いていてくたびれるところがある。でも、思いっきり弾いていて気持ちよさそうであった。第2楽章のホルン・ソロもみごとだったし。ここからどんどんいい演奏家が巣立っていって、5年・10年後にプロの演奏家として我々を楽しませてくれるようになってほしい。

======================= 1997-08-01 (Fri) 20:58:01 ====================

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