トーマス・シュメークナー オルガン・リサイタル


日 時:平成9年6月28日(土)午後6時30分〜
場 所:府中の森芸術劇場ウィーンホール
出 演:トーマス・シュメークナー(オルガン)
曲 目:バッハ   /前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
    モーツァルト/アダージョとアレグロ へ短調 K.594
    ブルックナー/前奏曲とフーガ ハ短調
    −−−−−−−−−−−(休憩)−−−−−−−−−−−
    ブルックナー/交響曲第4番 変ホ長調 ロマンティック


 ブルックナーというと「オルガンのイメージで作曲された交響曲」というが、では交響曲をオルガンで演奏したらどうなるか...。それが今回のテーマ。この曲(オルガン版)のCDが出てずいぶん経つから、ブルックナーファンは既に聴いているかもしれないが。最初の2曲は、少なくとも自分としてはそんなに力を入れて聴くつもりもなかった。軽いアミューズ・グール(オードブルよりも更に前に出る突き出しのようなもの)という感じ。

 ブルックナーのオルガン曲は、実は少なくて現存するのは7曲だけとか。この曲も、所々ブルックナー色も出てくるが、まぁ「こんなもんかな」という程度であった。

 休憩を挟んで、メインのブルックナーの4番。これは面白かった。もちろん、一人でオルガンを弾くのだから、フル・オーケストラの響きを期待するわけにはいかない。そうでありながらも、フレーズが切れるところで、巧みにストップを操作し、音色を変えていくところは見事だった。まさにブルックナー休止のところで、ストップを操作して音色を動かしていくのだから。

 特に、第4楽章の最後。再び第1楽章の主題が出てくる少し前あたりから、フィナーレにかけては、落ちていく太陽が見えた。
 ぜひ5番とか7番、8番とかも演奏して欲しいと思った。
======================= 1997-07-19 (Sat) 23:42:49 ====================


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