東京都交響楽団 97年度・前期定期演奏会Bシリーズ(451回


日 時:平成9年5月13日(火)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:管弦楽:東京都交響楽団
     指 揮:エリアフ・インバル
     曲 目:マーラー/交響曲第10番(デリック・クック校訂版)

 事務所で、超ムカツクことがあって(ブルックナーの8番全曲を30分で演奏しろといわんばかりの仕事の押し付け)、非常に不愉快な気持ちでサントリー・ホールに来ました。おまけに、ストレス解消のために、とんかつでも食い倒してやろうかと、アークヒルズの2階の「和幸」に行ったら満員。しゃ〜ねえな〜と思って、1階の「スパイシーバー」に行ったら、店がない(-_-;)。結局、レナウン・ミラノでパスタを食べました(旨かった)。

 演奏は、そんなブルーな気分をふっ飛ばしてくれるような、素晴らしいものでありました。
 まず曲ですが、第1楽章だけは聴いたことがありました。しかし、第2楽章以下も、実に面白い。終わりが唐突に銅鑼一発で終わったり、一瞬交響曲第4番をほうふつとさせるような節回しが出てきたり、第4楽章から第5楽章の移行で、まるで大砲のような太鼓の強打があったり...。

 第1楽章の最初は、何と言うか...第9番が「死」のイメージだとすると、骸(むくろ)のイメージですね。ヴィオラのユニゾンで、ちょっと乾いたような響き。第2楽章は、活き活きとしてますが、物凄い変拍子で、よくもまあ振れるし演奏できるものだなと感心しました。そうそう。それと、第1楽章が終わって第2楽章が始まる前、完璧な無音の世界がサントリーホールに広がりました。これは凄かった!

 最後も、フライング拍手もなく、実に緊張感あふれたフィナーレで、大満足でした。

 インバルは、去年のN響のブル5で素晴らしい演奏を聴かせてくれたのですが、今回のマーラーの10番も見事な仕上げだったと思います。だいぶ空席が目立ってましたが、勿体無かったな〜。
======================= 1997-05-15 (Thu) 02:23:14 ====================


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