ヴェルディ オペラ・ガラ・コンサート


日 時:平成9年4月18日(金)午後7時〜
場 所:サントリーホール
出 演:マリア・グレギーナ(ソプラノ)
     ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ(テノール)
     レナート・ブルソン(バリトン)
     今尾 滋(バリトン)
    ダニエル・オーレン(指揮)
    東京交響楽団(管弦楽)
曲 目:「運命の力」序曲
     「ドン・カルロ」より「終わりの日は来た」(ブ)
    「ルイザ・ミラー」より「静かなる夜」(ス)
     「アイーダ」より「勝ちて帰れ」(グ)
     「マクベス」より「ああ、父の手は」(ス)
     「マスベス」より「立て地獄の司よ」(グ・今)
     「ナブッコ」より「ユダの神よ!」(ブ)
     「運命の力」より「最後の頼みだ」(ス・ブ)
     「イル・トロヴァトーレ」より「ご覧になって、このほろ苦い涙を」(グ・ブ)
     「アイーダ」より「運命の石が」(グ・ス)
     「ナブッコ」より序曲
     「運命の力」より「アルヴァーロ、隠れても無駄だ」(ス・ブ・今)
     「イル・トロヴァトーレ」より「静かな夜だ」(グ・ス・ブ)
    (アンコール)    「静かな夜だ」


 テノールの華やかな声もいいけど、ブルソンのビロードのような声も実に魅力的である。このシリーズに来るのは3年目。最初がヴェルディの「レクイエム」。去年が、4つのオペラからの名場面集。そして今年は名曲集。毎年ヴェルディという作曲家に、少しずつ違った光をあててみせてくれる。

 ソプラノのダニエラ・デッシーが来日中止。その代わりに来日したのが、マリア・グレギーナであったが、「代わり」などとはとても思えない素晴らしい歌を聴かせてくれた。「ブルソンを聴きに行って、グレギーナを聴いて帰ってきた。」と言ってもいいくらい。ともかく声量がある。メトでは、サントゥッツァとトスカを歌うことになっているが、これは楽しみ。

 それから、たまげたのが、指揮者のダニエル・オーレン。だって、やたらと飛ぶんだもん(笑)。さすがに歌の伴奏のときは比較的静かな指揮をするけど、運命の力の序曲とかナブッコの序曲なんか、飛ぶこと飛ぶこと。バーンスタインとか佐渡さんの比じゃない。 ブルソンは、安定した声を聴かせてくれた。難を言えば、「もっと聴きたかった。」ということくらい。

 テノールは、グレギーナ、ブルソンが凄すぎただけに、ちょっと物足りなかった。この二人に張り合うとなると、アラーニャ、アルミリアートくらいでないと、ちと物足りなかったかも。 終演は、なんと9時30分。拍手が延々と続いたのであった。
======================= 1997-04-22 (Tue) 02:11:55 ====================


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