日 時:平成8年11月26日(火)午後7時〜
場 所:王子ホール
出 演:ドーン・アプショウ(ソプラノ) マーゴ・ギャレット(ピアノ伴奏)
曲 目:バーバー /歌曲集「世捨て人の歌」より
聖パトリックの苦行 天の宴
はりつけ 神への賛歌 隠棲への願い
シーガー /郷愁 白い月 よろこび
ドビュッシー /「忘れられた小唄」
やるせなく夢見る思い わたしの心に涙が降る 木々のかげ
木馬 緑 憂鬱
(休憩)
ムソルグスキー/歌曲集「子供部屋」より
隅で かぶと虫 お人形と
眠りの前に 棒の馬に乗って
アイヴズ /「子供の時間」より
思い出(a.ひじょうに楽しく b.かなり悲しげに)
トムが船出する
おり
母が教えてくれた歌
子守歌集(アプショウ選曲による)
ブラームスの子守歌など4曲
(アンコール)
ブリッツシュタイン/I WISH IT SO
ヴォルフ /めぐりくる春
シェーンベルク /ガラテア
ガーシュイン /SOMEONE TO WHICH OVER ME
シューベルト /休みない愛
シューマン /時は春
歌ものというと、ついつい声の美しさだけに注目してしまい、歌詞や演技を軽んじてしまいがちであるが、アプショウのリサイタルは、声の美しさ、言葉の美しさ(残念ながら歌詞を聴いてそのまま意味を認識できるだけの語学力はないので、プログラムの歌詞を事前によく読んでおくことでそれに替えた)、そして、「演技」とまでは言わないにせよ、全身を使った表現のすべてを使って聴衆に訴えかけるものであった。
バーバー、シーガーは旋律のついた詩の朗読会を聴いているような感じ。 ドビュッシーはもっとダルな感じがあってもよいのではと感じたが、パリのどこかのサロンにでもしけこんで、ワイングラスを傾けながら聴いている雰囲気がちょっぴりと。
休憩を挟んで、ムソルグスキーは、まぁ見事なほどに声色を使い分けたり、最後の曲では木の棒を模した馬(昔、ロンパールームでやっていた「ギャロップ」ですな(笑))に跨ったジェスチュアでステージを動き回ったり...。でも決してわざとらしくないのは見事。
アイヴズでは、極々短い「おり」でちょいと笑わせてくれた後は、「母が教えてくれた歌」で泣かせてくれた(この詞はいいですねぇ...)。
最後の子守歌で知っていたのはブラームスの子守歌だけだったが、これがまた、ほんとに語りかけるようなやさしい歌声。
アンコールでいいな〜と思ったのは、ブリッツシュタインとガーシュウィン。個人的には、サウンド・オブ・ミュージックとかを歌ってくれたらいいだろうな〜という気がしている。あと、逆にうんと古いやつとか。
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