NHK交響楽団定期演奏会(96年10月Bプロ2日目)


日 時:平成8年10月24日(木)午後7時〜
場 所:NHKホール
出 演:管弦楽:NHK交響楽団
     指 揮:ホルスト・シュタイン
曲 目:1 ベートーヴェン/交響曲第4番 変ロ長調 作品60
    2    同    /交響曲第6番 へ長調  作品68 「田園」


 N響創立70周年記念のベートーヴェンチクルス(第9は除く)の最終回。今日は交響曲4番と6番というおなじみの作品。しかもホルスト・シュタインの指揮ということで、期待が高まる。

 普段は開演前の室内楽はパスしてしまうのだが、今回はヨハン・シュトラウスやヨーゼフ・ランナーのポルカをやるということで、聴きに行った。ヴァイオリン2、ヴィオラ1、コントラバス1という「ヴィーダーマイヤースタイル」で、3曲。なかなか楽しい演奏だった。

 前回は、たまたまS券を譲り受けたが、今回はまたおなじみのE席にあがっていく。客の入りは6〜7割といったところ。

 さて、演奏。まずベートーヴェンの4番は、速からず遅からず。そして実にバランスのいい、しかも分厚い響きを聴かせてくれた。去年の12月の定期で朝比奈さんが4番と7番を振ったときに聴きに来たが、4番は第3、第4楽章が、ちと遅すぎるのではと感じていた(特に第4楽章)。クライバーの疾風怒濤のような演奏もいいけれど、シュタインの棒は、その中庸といったところであった。とくに、各楽章の最後をゆったりと聴かせてくれたのはうれしかった。

 休憩の後は、「田園」。ポピュラーな曲ではあるが、生で聴くのは、ベーム/ウィーン・フィルで聴いて以来だから18年ぶりくらいか...。 こちらも、せかせかとせず、変に飾り立てない演奏であった。よかったのは第2楽章の最後の木管の掛け合い。そして第5楽章の美しい弦の響き。最後の和音が消えた後、「あ〜聴きに来てよかった〜」という幸福感で一杯になった。

 私にとって音楽は「心の栄養」であって、これが欠乏してくるとだんだん尖がってくるが(笑)、こういう「ごちそう」を食べると、半月は平穏な気持ちでいることができる。
======================= 1996-10-29 (Tue) 23:39:15 ====================


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