ウォルフガング・シュルツ&シュテファン・ヴラダー デュオ・リサイタル


日 時:10月20日(日)午後7時〜
場 所:紀尾井ホール
出 演:ウォルフガング・シュルツ(フルート)
    シュテファン・ヴラダー(ピアノ)
曲 目:J.S.バッハ/ソナタ ロ短調(BWV1030)
    シューベルト /「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲 ホ短調(D.802)
    (休憩)
    ドビュッシー /牧神の午後への前奏曲
    プロコフィエフ/ソナタ第2番(作品94a)
    (アンコール)
    ブーランク      /ソナタ(より)
    モーツァルト     /ソナタ第5番(より)
    リムスキー・コルサコフ/熊ん蜂の飛行
    グルック       /メロディー


 アバド/ベルリンフィル「復活」の裏番組のせいか、日曜の夜の演奏会のせいか、入りは8割といったところだった。 去年「デュオ」を組んだハープの吉野直子さんが聴きに来ていた。

 エントランスに、シュルツさんが50歳の誕生記念にウィーン国立歌劇場の舞台にちょい役で出させてもらったときのプログラムが展示されていた。

 最初のパッハは、じつにしっとりとした演奏。滑らかな音のつながりは「フルートなんて簡単じゃない」と錯覚させるほど。

 シューベルトは、例の「死と乙女」の主題が歌われる。ときに激しく、ときに静かに。

 牧神の午後への前奏曲は、無音の中からはじまった。ピアノとフルートのデュオというのは初めてだが、オケ版よりもフルートがより浮き出た感じがして非常に幻想的。

 最後のプロコフィエフは、「あ。ほんとだ。プロコフィエフの曲だ。」という感じ。どういう感じかというと、調性が無いようであるようで、ちょっとユーモラスな節回しがあったりして...。

 アンコールでは、「熊ん蜂の飛行」がやはり面白かった。最後の「メロディー」は、みずみずしい響きを聴かせてくれた。 シュルツさんがムラマツのフルートを使っているためか、フルートを自分でも演奏する人たちがかなり聴きに来ていた。「ああいうのを聴くと、絶望的になるけど、わたしらはわたしらで頑張りましょう」といっていたが、むべなるかな。難しさを感じさせずにすらっと吹いてしまう凄さを感じるばかりであった。
======================= 1996-10-26 (Sat) 00:54:26 ====================


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