ヨッヘン・コワルスキー リサイタル


日 時:平成8年9月11日 午後7時〜場 所:東京芸術劇場
出 演:ヨッヘン・コワルスキー(カウンターテノール)
    シェリー・カッツ(ピアノ)
曲 目:シューベルト/歌曲集「美しき水車小屋の娘」(D.795)
    (アンコール)
    グルック/歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より「我、エウリディーチェを失えり」


 東京芸術劇場でのコンサートは、今回が初めての体験。巨大なエスカレーターに驚いた。

 ホールに入って、オルガンの下のところがガラス張りになっていて、向こうに庭が見えるのに、また仰天。このまま演奏が始まるのかと思ったら、開演前に閉まった。

 客席の約7割が女性。しかもプレゼントやら花束やらを持っている人が沢山いる。

 今回は、休憩なしで「美しき水車小屋の娘」一曲だけというプログラム。同じカウンターテノールでも、ドミニク・ヴィスとはまったく違った声質で、ヴィスがナチュラルな発声とすれば、ヨッヘン・コワルスキーのはかなり作った声という感じがする。しかし、モテット一曲でエネルギーを使い果たしてしまった自分の体験からして、よくもまぁ、あれだけ声をコントロールできるものだと感心する(比べるなって(笑))。終曲の「Gute Nacht」という言葉のやさしい響きも、印象に残った。

 それより、気になったのは、一曲毎に拍手を送る聴衆の存在。弱音で終わる曲はまだしも、「バーン」と強い音で終わると、必ず拍手が沸き上がる。頭にきたのか、途中で「シーッ」と拍手を押え込もうとする勢力もでたが...。

 歌いおわった後は、延々と続く花束と贈り物の贈呈式(笑)。おまけに桟敷席からは、「ヨッヘーーーン!」という声がかかったりして、なかなかに楽しい。本人も、ファンの一人一人に声をかけて握手をしている。

 アンコールは、グルックの歌劇からアリアを一曲。
======================= 1996-10-12 (Sat) 19:58:02 ====================


コンサートレポート96表紙に戻る