NHK交響楽団 定期演奏会(2月Bプロ1日目)


日 時:平成8年2月14日(水) 午後7時〜
場 所:NHKホール
出 演:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
    NHK交響楽団(管弦楽)
曲 目:バーバー     /バレエ音楽「メディア」よりメディアの復讐の踊り 作品23a
    プロコフィエフ  /「ロメオとジュリエット」組曲 第2番から
              1 モンターギュ家とキャピュレット家
              2 少女ジュリエット
              3 踊り
              4 ロメオとジュリエットの別れ
              5 ジュリエットの墓の前のロメオ
    ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」


 C−Aと聴いてきたスクロヴァチェフスキ/N響も今日のプログラムでおしまい。さて、今日はどんな演奏を聴かせてくれるか期待しながらNHKホールに足を運ぶ。

 今日は20世紀に作曲されたバレエ音楽を3曲並べるという面白いプログラム。「フィルハーモニー」誌に書かれているように、スクロヴァチェフスキはプログラミング(別にCとかPASCALではないぞ(笑))に凝る人らしい。

 最初のバーバーは、いわゆる「現代曲的な響き」だが、美しい。調性や協和音がなくても、美しい響きというのはあるのだなと今更ながらに感心させられた。

 二曲目のプロコは、これは楽しかった。Cプロのヴァイオリンコンチェルトは今ひとつ興味をそそられなかったが、ロメオとジュリエットはよかった。2曲めくらいで、弦楽器が波のうねりのような響きをつくり、その上でホルンが鳴るような場面があって、ここがすごく気に入った。

 春の祭典は、「何かやってくれるだろう」という期待をしたわりには、「えっ」と驚くようなことはなかった。しかし、よく考えると、スクロヴァチェフスキは「奇をてらう」演奏を本分としているわけではない。こういうキワモノ的な期待をすること自体、間違っていた。

 それと、一つ頭に浮かんだのは、かつてブーレーズが言った「前衛は古典のように演奏し、古典は前衛のごとく演奏する」という言葉。春の祭典は、それ自体うんと個性的な曲なのだから、奇をてらわずに演奏することこそが本質を捉えた演奏になるのかもしれない。

 Bプロでは、シューマンの第4交響曲のように、電気で打たれたような衝撃はなかったが、N響をよくドライブしてよい響きを引き出していることには変わりなかった。 ということで、2月のN響はスクロヴァチェフスキで明け、スクロヴァチェフスキで暮れ、終演後のビールが美味かった(笑)。

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