NHK交響楽団 定期演奏会(2月Aプロ2日目)


日 時:平成8年2月9日(金) 午後7時〜
場 所:NHKホール
出 演:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
    オラシオ・グティエレス(ピアノ)
    NHK交響楽団(管弦楽)
曲 目:モーツァルト/交響曲第29番イ長調 K.201
     ショパン  /ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
     シューマン /交響曲第4番 ニ短調 作品120


 先週土曜日のCプロが結構楽しめたので、今日(金曜日)も足を運ぶことにした。とくに今日は、このような非常に親しみのある曲ばかりなので、どんな風に料理してくれるか非常に興味があったからである。

 今日も、午後5時までは真面目に仕事をして、あとはボスを尻目にさっさと帰り支度。東銀座から地下鉄日比谷線に乗って日比谷で下車。日比谷から地下鉄千代田線に乗り、明治神宮前で下車。そこから都バスに乗って「渋谷区役所前」で下車。午後5時50分過ぎにNHKホールに到着した。

 例の如くE券を買い、列の後ろへ。開場後すぐに階段を早足であがって、自由席の最前部をゲット。1階に降りてサンドイッチとお茶で夕食。ダイエット中だからこのくらいで我慢(^_^;)。少しだけロビーで室内楽を聴く。

 3階に上がり、席について本を読んでいるうちに、開演時刻。チューニングが終わり、静寂の中、スクロヴァチェフスキ氏が元気に登場。最初はモーツァルトの交響曲第29番。弦楽合奏に、ホルン2・オーボエ2の実にコンパクトな編成である。テンポは例の如くやや早め。そして歯切れが良い。第2楽章終わりのオーボエがとても美しかった。

 二曲めは、ショパンのP協奏曲第1番。もともとは、チェルカスキーが弾く予定だった(曲もたしかP協の2番だったような...)が、逝去されたということで、オラシオ・グティエレス氏が登場。結構太っていた(笑)。演奏は...実に濃厚といった感じがした。特に第2楽章は弦の弱音から始まり、ゆったりと紡ぐようにピアノとオーケストラの絡みを聴かせてくれた。ショパンというより、なにかブラームスあたりのコンチェルトを聴いたような感じだった。

 休憩後は、シューマンの交響曲第4番。今日のプログラムはみな好きな曲ばかりだが、シューマンの4番というのは結構気に入っている。以前サヴァリッシュがN響を振ったときの演奏をTVで見て以来好きになった。出だし...すごい。ただ「ジャーン」とくるだけかと思ってたら「ズァーン」ときた。序奏の部分は、じつに厚みがあって、なんだかブラ1の第1楽章の序奏を聴いているみたい。そして、テンポがはやくなったところは、実に音がよく伸びていて、歯切れもよい。そして、ところどころ、意識的にテンポを落とし、音量をおさえる。それから、音をきっちりと「切る」よう指示しているせいか、休符の部分がほんとに「無音」になり、とても緊張感がある。 

 圧巻だったのは、第3楽章から第4楽章へのつなぎの部分。テンポをうんと遅くして、pくらいから徐々にあげていく。ブルックナーの8番の第4楽章の最後の部分みたいな厚みを感じた。シューマンの第4番をこんなに面白く聴かせてくれるとは... う〜ん。来週の「春の祭典」も行きたくなってしまった(^_^;)。

======================= 1996/02/10(Sat) 00:41:43 ====================


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