NHK交響楽団 定期演奏会(2月Cプロ2日目)


日 時:平成8年2月3日(土) 午後2時15分〜
場 所:NHKホール
出 演:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
    渡辺玲子(ヴァイオリン)
     NHK交響楽団(管弦楽)
曲 目:ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第2番 作品72
    プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 作品63
     チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64


 N響の定期は、昨年暮れに朝比奈先生のベト4・7を聴いて以来だから、2ヶ月ぶりということになる。
 土曜午後の演奏会というのは、なんとなくのんびりとしていて、贅沢な気分がする。夜の演奏会の方が、華やかな感じである。12時40分頃家を出てバスに乗り、13時10分頃ホールに到着。結構長い行列ができているので、あわてて当日券(E券)を購入。行列の最後尾について入場し、いそいで3階席に上がると...なんのことはない。ガラガラ。ゆうゆうと、自由席の最前列をとることが出来た。荷物をおいて、1(2)階に降り、3月の定期のチケットを購入。3月は、ハインツ・ワルベルクがブルックナーの9番を振るので、3月13日(水)のチケットを買った。この日は平日で、仕事が延びる可能性もあるので、指定席を買った。開演まで40分以上あるので、お茶を飲んだり、ホール内をぶらぶらと歩いて過ごす。5分前に着席。両脇の席は空いていて、ゆっくりと聴くことができる。

 一曲目は、序曲レオノーレ第2番。第3番というのは何度も聴いたことがあるが、2番というのはどういう曲なのか...聴いてみると、3番に非常に似ている...というか、2番とほとんど一緒の素材である。舞台の袖からのトランペットもある。ここまで似ていると、いかに本人の作品同志とはいえ、なんだか、変な感じであった。

 二曲めは、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲。プロコフィエフというのは、通して聴いたことがあるのは「ピーターと狼」だけ。古典交響曲というのを、カラヤンの指揮で、ほんの少しだけ聴いたことがある。いきなりヴァイオリンのソロから入るというなかなか面白い出だしだった。2楽章のワルツも美しかった。でも、「一目惚れ」には至らなかった。しかし、ブラ1だって初めて聴いたときは、モタモタして重たい音楽だな〜と思ってたし、ブルックナーも、ブツブツ切れて、変な音楽だなと思ってたのが、いまでは、どちらも大好きな曲になっているのだから、あまり毛嫌いせずにもう少し聴いてみようと思う。

 休憩を挟んで、後半はチャイコフスキーの5番。これが今日の目当てであった。スタニスラフ・スクロヴァチェフスキという指揮者は初めて名前を聞く人だったが、「フィルハーモニー」誌によると、ことし73歳で、作曲もするということ。指揮ぶりは、73歳とは思えず、実にエネルギッシュで、チャイ5ではかなり早いテンポでオケをがんがん鳴らしてくれた。第2楽章は、個人的には、ちょいと演歌調に唄ってくれる方が好きなのだが、今日の演奏は、実に歯切れがよく、それはそれで聴いていて気持ちがよいものであった。第4楽章に至っては、圧巻といっても言い過ぎではないと思った。そんなわけで、今日の演奏会も収穫があった。
======================= 1996/02/04(Sun) 00:37:09 ====================


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