第6回 リクルートスカラシップコンサート


日時:2000年8月20日(日)午後4時〜
場所:新国立劇場中劇場
出演:ソプラノ 下原千恵子 竹村佳子 野田浩子 福田玲子
    メゾ・ソプラノ 河野めぐみ 藤川真佐美 高尾佳余
    テノール 水口聡 樋口達哉
    バリトン 谷友博 豊島雄一
    バス 久保田真澄
    新星日本交響楽団(管弦楽)
    村中大祐(指揮)
    五十嵐喜芳(司会)


曲目:オッフェンバック/ホフマン物語から「ホフマンの舟歌」(竹村、河野)
    ロッシーニ/セヴィリアの理髪師より「私は町の何でも屋」(谷)
    ベッリーニ/ノルマより二重唱「一人秘かに神殿にいたときでした」(福田・河野)
    モーツァルト/ドン・ジョヴァンニより「お手をどうぞ」(竹村、豊島)
    ヴェルディ/シチリア島の夕べの祈りより「友よ、ありがとう」(福田)
    ビゼー/カルメンより「セギディーリア」(高尾)
    ヴェルディ/ドン・カルロより二重唱「我らの胸に友情を」(水口、谷)
    プッチーニ/ラ・ボエームより四重唱(竹村、野田、樋口、豊島)
(休憩)
    ヴェルディ/椿姫より「乾杯の歌」(野田、樋口)
    ドニゼッティ/愛の妙薬より「皆の衆」(久保田)
    マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナより二重唱「サントゥッツァ、お前がここに」(藤川、水口)
    プッチーニ/トゥーランドットより「遠い昔」(下原)
    ヴェルディ/リゴレットより四重唱「いつかお前に会ったような気がする」(福田、河野、樋口、豊島)
    ベッリーニ/ノルマより二重唱「ノルマよ見てごらん」(下原、藤川)
(アンコール)
    ヴェルディ/椿姫より「乾杯の歌」
    ヴェルディ/ナブッコより「行け、我が思いよ。黄金の翼にのって」


 こういう若い人材を発掘する試みというのは、実に面白い。下原さんや水口さんのように、すでに活躍中の歌手もいますが、他にもなかなか「おっ」と思わせてくれる歌手がいました。
 特に良かったのは、ソプラノの福田玲子。実によく声が伸びていて、シチリア島の夕べの祈りの「ボレロ」などは、貫禄すら感じさせてくれました。あとバリトンの豊島雄一もいいです。後半のリゴレットの四重唱では、実にはまり役という感じがしました。
 そして、今年のスカラシップ生として紹介されたのが、中島康博。この人は要チェックです。声の良さだけではなく、言葉がはっきりと聴き取れる(逆に言うと、声を当てるために言葉を犠牲にする必要がない)というのが魅力的。こういう人を潰さないで大切に育てられれば、10年後に楽しめそうです。
 それにしても、司会の五十嵐さん、出演者を紹介して、曲にはいると舞台の袖近くにセットされた椅子に座って、出演者の歌う様子を見ていましたが、本当に楽しそう。音楽が好きなんだなぁ...って感じました。これ当たり前のように思えるかも知れないけど、仕事が楽しめるって素晴らしいことだと思います。


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