民音特別演奏会 朝比奈/大フィル


日時:2000年7月21日(金)午後7時〜
場所:サントリーホール
出演:大阪フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)
   朝比奈隆(指揮)
曲目:ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調作品21
          /交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」

 例年の真夏の討ち入りの東京定期に加え、今回はその2日前に民音主催で同じプログラムでの演奏会。いつもだと、1階の平土間席を買うのですが、今回は電話予約のときに券種を間違えて、SがあるのにA席を買ってしまい、当初はしまったと思いました。ところが、よく見てみると、2階のLAでちょうど指揮者の真横あたり。朝比奈先生の表情もよく見えて、よかったです。「東京定期」ではセン ター席をとっているし。

 5月のN響とのブルックナーのときには、目立った振り間違いがあったりとかで「老い」を感じてしまい、非常に心配でした。しかし、今回は、再び元気 な指揮ぶりを披露してくれ、ほっとしました。

 演奏は、数年前のNJPとのベートーヴェンチクルスよりも更にゆっくりとしたテンポで、前半の1番から、堂々とした曲作り。軽快なベーレンライター版も良いけれど、私はこっちの方が口に合います。

 圧巻だったのは、後半の「英雄」。雷鳴の連発のような最初の「ジャン!ジャン!」があって、改めて仕切り直しをして3拍子にのって弦が旋律を奏でていくさまは見事でした。

 そして、第二楽章。ギリギリまでテンポを落として、引きずるように歩んでいき、オーボエの奏でる哀感溢れるテーマから、一つ一つ積み上げていくように曲が進んでいく...途中の「トゥーバ・ミルム」の部分はフルパワーでホール一杯に音が広がる。そして、少しずつ消えていく...楽章が終わったところで、思わず「ブラーボ」を叫んだお客がいて、普通なら切れてしまうところですが、あれだけの第2楽章を聴かされてしまうと、人間、尋常な精神状態でいることはできず、ツボを押されてしまったのもやむを得ないかな、と、変に納得してしまうような第2楽章でした。

 第3楽章は、トリオのホルンがちょっと引っかかるところもありましたが、溌剌と駆け抜けていくという感じ。そしてほぼアタッカで第4楽章に突入。最初の弦の序奏は、若干ばらつきはありましたが迫力たっぷり。あとは、オーボエの奏でる主題を変奏していくさまを堪能しました。まるでブル5の第4楽章みたいでした。

 終演後は、もの凄い拍手。オケが引き上げたあと、「参賀」は長いのを1回。ブル9のときに、お疲れで2回目は出てこられなかったことが頭にあったためか、比較的あっさりと引き上げました。
========================00-07-22(Sat) 11:23========================

コンサート・レポート2000目次に戻る