新星日本交響楽団第81回サンフォニックコンサート


日時:2000年2月20日(日)午後2時30分〜
場所:東京芸術劇場大ホール
出演・曲目:215回定期と同じ
24時間のうちに、「生ブル8」を2回も聴けて、しかもその2回が素晴らしい演奏。こんな至福のときはありません。今日は芸術劇場の2階センター付近で聴きました。意図的に舞台から目をそらして、オルガンをじっと眺めていたら、まるで、聖フロリアン教会のブルックナーオルガンを見ているかのような錯覚にとらわれました。

マーガの棒は、昨日と同様、オケに決して無理な力を出させようとするものではなく、ごくごく自然にホールいっぱいにあふれるフォルテシモや、消え入るようなピアニシモを引き出していました。数年前に都響の定期で朝比奈先生の棒でブル8を聴いたとき、あまりに音が聞こえてこなかったので、「ホールのせいか」と思ったのですが、決してそうではありませんでした。

第3楽章の、チェロのパートソロで弱音ですすり泣くように奏でる旋律の美しかったこと...そしてゲネラルパウゼの間も決して音楽が止まっていない。聴衆も自然体で音楽にのめり込むことができたせいか、実にいい雰囲気のコンサートでした。第4楽章の最後。いよいよたどり着いた...というより、たどり着いてしまったというのが本音。「ミレド」が鳴った後、チェリではありませんが、思わず合掌してしまいました。

マーガは、ライトナーやチェリビダッケなどの指導を受けたこともあってか、虚飾のない、実にいい音楽を作ると思います。来シーズンの新星日本交響楽団のスケジュールにはマーガの名前がないのが残念です。もし、新星日本交響楽団が合併して、マーガと日本の楽団の縁が切れるとすれば、こんな不幸なことはありません。ヴァントは高齢で来日は難しいでしょうし、朝比奈先生とて、そうそういつまでも...でしょう。スクロヴァチェフスキやマーガは、いいブルックナーを聴かせてくれる職人です。ぜひ、今後も日本との縁が切れないことを願うばかりです。
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